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「高齢者の口腔ケア」に関する西条支部講演会報告


平成14年6月2日 (日曜日)西条市民センター 4階大ホールにおきまして、主催 西条歯科医師会・西条市の後援を得まして、日本歯科大学講師 菊谷 武先生(付属病院口腔介護・リハビリテーション センター長)の講演会を行いました。演題は、「寝たきりや介護を必要とする高齢者の口腔ケア」でありました。今回講演会の事前広報活動として、西条市行政関係・西条中央保健所・医師会・薬剤師会・介護支援専門員・ホームヘルパー・訪問看護ステーション・在宅介護支援センター・認定審査会委員・老人クラブ・健康づくり推進員・市議会等々関係部署へ講演会の案内状を送付、西条歯科医師会HP・愛媛県歯科医師会HPの会員専用のお知らせのコ−ナ−・ポスター製作・NHKラジオ第1放送による告知、東予各支部長先生に御案内を申し上げ関係団体へご紹介頂いたりもしました。また、西条市からは、市報での告知・新聞折り込み広告も入れて頂きました。 当日は、好天にも恵まれ315名収容のホ−ルに補助椅子が必要な程でして、380名余の方々の御出席を得ました。西条市外よりは、新居浜市・東予市・伊予三島市・川之江市・朝倉村・今治市・松山市・中山町等遠方からも御出席頂けました。誠に、有り難うございました。講演会は、一部・二部と分けまして、一部は、まず伊藤宏太郎西条市長から今回の講演会開催への経緯と感謝、今後の市と歯科医師会相互の関係強化についてお話を頂けました。引き続いて、松原支部長から今回講演会の目的をスライドを交えてご聴講頂ける方々に講演前にご説明申し上げました。その後、講師から御講演頂きました。二部は、下記の方々の御出席を得まして、ディスカッション形式をとりました。以下当日のプログラムです。


「寝たきりや介護を必要とする高齢者の口腔ケア」講演会
     主催 西条歯科医師会 ・ 後援 西条市 
[平成14年6月2日(日曜日)西条市民センター 4階大ホール

             【 プ ロ グ ラ ム 】

     第一部  講演会     (13:00〜15:00)

       (司会進行)   西原 茂昭(西条歯科医師会 理事)
       開会の挨拶   堀江修一郎(西条歯科医師会副会長)
       市長 挨拶   伊藤宏太郎(西条市長)
       主催者挨拶   松原 秀憲(西条歯科医師会 会長)
       講   演   菊谷  武(日本歯科大学 講師)

第二部  ディスカッション(15:10〜16:30)

       ディスカション(質疑応答)
       (講   師) 菊谷  武(日本歯科大学 講師)
       (パネリスト) 高橋 俊輔(西条市生活福祉部長)
               福山 義視(西条市医師会 会長)
        景浦しげ子(西条地方局保健部長)
               宇都宮久記(県歯 地域保健委員)
       (座   長) 松原 秀憲(西条歯科医師会会長)
       閉会の挨拶  神野  茂(西条歯科医師会副会長)
「食のミニデンタルショー」4階フロア(12:30より開始)
 「西条歯科医師会ホームページ」http://www.dokidoki.ne.jp/home2/saishika/
 本日の講演への、ご質問・ご意見は、保健センターまたは、高齢福祉課
 でお受け致します。  (西条市役所 0897−56−5151)

第一部講演会

西条市長挨拶
こんにちは、非常に良い天気になりました。私は、元気な市民の皆さんの姿が今後の西条市の市民の繁栄の原動力であると常々考えております。今回、西条歯科医師会の先生方との先般の懇談以来、お話がありました講演会を開催をすることが出来ました。医療福祉にご尽力頂いている関係する市民の御出席頂き、この素晴らしい演題”口腔ケアの講習会”を設けることにお祝い申し上げご挨拶をさせて頂きます。医療技術の高度化、生活水準高度化、衛生の向上により健康寿命が延び 日本は、世界に稀に見る長寿国になりましたが、西条市におきましても高齢者や在宅で一定の介護支援施策をもってそれぞれの関係者の皆様と推進しています。治療より予防によりまして、元気な市民の皆さん方、元気な企業日本一、長寿の町西条を目指し、理想と致しております。現在、西条市におきましては、特に歯科において高齢者の口腔ケアについての関心が高齢者の側から関心が高まりつつあります。それぞれ健康で御家族と生き甲斐のある生活を送りたいものでしょう。その意味で口腔ケアの果たす役割は今後とも大きいものとなる思われます。諸々の状況の中、西条歯科医師会におかれましては、口腔ケアの果たす役割が今後の歯科医療の重要な位置付けとして課題をもたれました。本当に歯科医師会の皆様には、有り難く市民の健康作りを推進するものと感謝を改めて申し上げるとともに、今後とも御指導、御協力はもちろんでありますがご意見を頂きながら、生涯を通じた健康生活を支えるため健康と福祉の充実それから心温まる町作りに積極的に取り組んで参る決意を持っております。この後の菊谷先生の御講演からこの必要性を学んで頂きまして、それぞれの業務の中に、生活の中に活かして頂きたいと思います。結びになりますが、この講演会を企画頂いた西条歯科医師会の皆様はじめ関係者の方々ご参会の方々季節柄健康には十分にご留意頂きまして、ご活躍を期待させて頂いてご挨拶と致します。ホントに多くの方々が口腔ケアにご関心をお持ちになっていることを再認識致しました。

松原支部長挨拶
寝たきりの高齢者介護を必要とするお年寄りの生活の質を向上するためには、福祉・保健・医療それぞれ関係致しますものが一同に会しまして、援助して参る必要があります。本日は、口腔ケアに焦点を絞りまして限られた時間ではありますが、皆様と一緒に考えて参りたいと思います。この後、菊谷先生より御講演頂きますが、講演に先立ちまして、今回なぜ西条歯科医師会がこのような講演をする運びになったのか講演目的と、老人の口腔内の実態、どうすべきかにつきましてイントロダクションのお話をしたいと思います。(実際の寝たきり老人の口腔内及び義歯清掃状態をスライドを交えて説明されました。)つまり、ご自分で入れ出し出来ない寝たきりのお年寄りの口の中が非常に汚れているんだ。そのお年寄りの口腔ケアをすることによりまして健康回復に役立つんだというと言うことを御理解頂きましたら本日の講演会の目的達成と考えております。簡単ではありますが、趣旨説明を持ちましてご挨拶に代えさせて頂きます。本日は最後までご聴講頂けますよう御案内申し上げます。有り難うございました。

菊谷講師講演


第二部ディスカッション
引き続きまして、第二部ディスカッションを行いました。出席者は、以下のとおりです。

      ディスカッション(質疑応答)
       (講   師) 菊谷  武(日本歯科大学 講師)
       (パネリスト) 高橋 俊輔(西条市生活福祉部長)
               福山 義視(西条市医師会 会長)
        景浦しげ子(西条地方局保健部長)
               宇都宮久記(県歯 地域保健委員)
       (座   長) 松原 秀憲(西条歯科医師会会長)
       閉会の挨拶  神野  茂(西条歯科医師会副会長)
「食のミニデンタルショー」4階フロア(12:30より開始)

 
松原支部長挨拶
僭越ではありますが、司会進行をさせて頂きます。第一部講演会お疲れ様でした。冒頭にも申しましたように、寝たきり老人の生活改善につきましては、行政を中心に歯科医師会医師会等の異業種の方が力を合わせて取り組まなければならないと思います。そういう意味で、本日パネリストと致しまして、市・医師会・保健所からも御出席頂きました。菊谷先生の御講演の感想とそれぞれのお立場でのご意見を頂きたいと思います。その後フロアからの御質問を時間の許します限りお受け致したいと思います。

 高橋 俊輔様(西条市生活福祉部長)挨拶
本日は、高齢者の口腔ケアという事で専門家の菊谷先生のスライドを交えたお話がありました。お教え頂いた知識を御家族御近所の方に、また、家の中に閉じこもりがちの方にもお話をして下さい。これが地域福祉です。皆様のお力を得ませんと、きめの細かなサービスが出来ません。お帰りになりましても広めて頂きたい。私共生活福祉部は、市民の皆様の健康の維持増進の為、妊娠している方、赤ちゃんから高齢者の福祉健康、不幸にして病気になられた高齢者の福祉まで取り組んでいます。本日お渡したパンフレットに西条市独自の20数個の諸策を実施しています。また、本日御講演頂きました菊谷先生の話は、目から鱗の話でありまして、先生のお教えを自分から行動していきたいと思います。その事が、市民の健康につながると思います。

福山 義視先生(西条市医師会会長)挨拶

菊谷先生には、非常に分かりやすいお話でフロアの方も御理解頂けたのではないでしょうか?私達は、現実に介護にとか医療に携わっている者としてだいたいの事はわきまえているつもりでおりましたが、本日の話を聞きまして如何に認識が甘かったと言う事をしみじみ今日思い知らされました。今、治療から予防が現場の大切な仕事となってきております。先生の話はそういう意味での口腔ケアの広義の口腔ケア・器質的口腔ケアが大切だという事を知らされました。また、患者の口腔内状態が看護・介護の質を計るものだと言う事を聞きますと明日から介護に当たっておられますいろんなスタッフの方にこういう風な面でさらに意欲を持って頂きたいなあと思います。デンタルプラークが大腸の細菌濃度と同じである。と数字で示されまして、今まで漠然とした感じでおった事が、具体的に頭を叩かれるような思いをしました。虫歯菌の母子感染これとかは思いもよらなかった事で私も事ある毎に子供さんの時からの歯磨き習慣を付けて下さいと言う事は患者さんの口の中を見た時に申し上げる事ですが、虫歯菌の母子感染があるなんて事は、今日まで私全然知りませんでした。じいちゃんばあちゃんになってからも母子感染を起こさん様にせなならんなあ。その為自分からしっかり手当をしていかねばいかんなあとこれまた皆さんと一緒に勉強させて頂きました。歯周病からの誤嚥性肺炎は、概念としては理解しておりました。口腔ケアをする事でグラフとして如何に発熱が少なくなるかというデータを示して頂きました。概念ではなく具体的に大事な事が理解しやすかったと思います。口腔ケアは、認知機能低下を防止する。この話は、私共は、介護する人たちがボケ防止に頻回、意識を呼び起こす事が大切と申しております。具体的に口腔ケアをするという事は、介護する人にとって非常にめんどくさい事だと思いますが、ただ単に話しかける事以上に非常に有効な手段であるけれども介護の面で口腔ケアは難しい。言う事は聞かないし噛みついたりする。しかし、押して口腔ケアに取り組むと言う一つの動機づけになりました。嚥下につきましては、私もよく患者さんが唾が出にくい飲み込みにくい時どうしようか聞かれた時、お茶かお汁で飲み込んでおけばいいんよと軽く受け流していました。水が飲み込みにくい私も年を取ってから感じるようになりました。特に冷たい水をかっと一気に飲みますとのどに引っかかるんですよね。水が如何に飲みにくいものか再認識しました。話の中でとろみ食を聞きました。明日から早速飲み込みにくいといった患者さんには、良く咬んだ後で水分を加えなければいけない時は、とろみ食の状態で安全ですよ。もう一つ具体的説明が加えられる様に今日の話を活かしたと思います。今まで漠然となんでも分かっておったつもりでおった事が、今日の話で如何に無知であったか理解されました。菊谷先生有り難うございます。

 景浦しげ子先生(西条地方局保健部長)挨拶
先程の講演会の感想は、福山先生と同感でして、一つは頻度として大腸と同じくらいの菌数、以前内科におりましたので大腸のイメージと口腔が同じレベルにあるという驚きを感じました。又、介護の質が口腔の状態に最も表れている。口腔ケアという事について、そこまでなかなか出来ていないと言う事になっているという事で、示唆に富んだ話でした。 
 ここで、自己紹介的になりますが、話をさせて頂きたいと思います。私と歯科保健との出会いは、大学時代の医学教育の中で歯科医学の講義が若干ありまして、歯を磨いた方が良いくらいで印象に無かったのですが、内科医をしていて昭和59年愛媛県保健所に奉職しました。赴任地は、大洲保健所は、県下でも歯科保健のメッカでして熱心な地域でした。部会もあったりして、例えば、養護の先生学校の先生、地域の歯科医師会、保健所職員が年に何回もこういう会合を持たれまして活動に触れさせて頂きました。その時、歯科保健は、地域の方々と一緒に進めていかないといけないと私自身勉強になりました。昭和62年から宇和保健所と野村保健所を兼務で赴任しました。その当時は、介護保険がございませんでした。保健所における予防活動、例えば脳卒中がやり始められたところで、地域の寝たきりの御老人の状態を保健所としても知っておかねばならないと思いまして、当時保健婦(保健師)と野村町の山の方や城川町に出かけておりました。その際、ある御老人女性を訪問しました。お嫁さんに理想的介護をされておりましたが、一番気になる事・困っている事をお聞きしますと、お嫁さんはきっちりきれいに世話してくれ申し訳ないが、歯の事は言い出しにくいし、うっかりして気が付いてくれない。口の中は元気な者が磨くのはどうって事ないのですが、体が不自由になりますとそういう事にも介護が必要なんだ。本人から言い出しにくい、周囲の人の気が付きにくいそういう問題なのかなと思いました。その時、私は、どういう風にしたらいいのか、また、してあげられるのか口腔ケアに対し力がありませんでした。そのままですが、今あの方はどうされたのかなあ、気になりますが、そんな事例がございました。
 平成4年伊予保健所に転勤になりました。今日も遠くから来て頂いておりますが、中山町診療所の高橋先生が中心になりまして伊予歯科医師会の方で子供達のフッ素洗口の重要性を挙げていただきました。これにつきまして、保健所が中山町だけでなく周辺の管内の子供達にもフッ素洗口を広めていく必要があるのではないかという事で、保健所が音頭をとりまして会議をもったり学校の先生にも来て頂きました。その際は、高橋先生の方から広大の先生をお呼び頂き、私も学校の先生方も一緒に学ばせて頂きました。平成12年愛媛県で小学校のフッ素洗口事業が開始していますが、その先駆けに係わらせて頂いた様な経過です。また、その時松前町の方が中心となりまして、今回も高齢者の口腔ケアとして口腔ケアと嚥下の2つ大きな問題から菊谷先生からお話がございましたが、嚥下を中心に伊予歯科医師会が非常に熱心に取り組まれまして、福祉関係者の施設職員の方に勉強会・講習会をしておられ、私が出る前に始められて、今は、軌道に乗っているとお聞きしております。こういった経緯の中で、こちらの西条歯科医師会の方でこういった講演会・シンポジュウムをもたれるという事で関係者の皆様方が、口腔ケアについて是非今後の取りかかりの第一歩になる非常に素晴らしい企画であると、私も嬉しく思っている次第であります。
 長くなりますが、歯科の問題は、子供の虫歯予防・中高年の歯周病予防・高齢者の口腔ケアと時期によって非常に重要なポイントがあると思います。今日は、西条市健康づくり推進委員さん方がお越しになっておられます。第一次・第二次・第三次予防つまり、最初は病気の予防をして、次に早期発見早期治療をして、更に具合が悪くなってもリハビリ的といいますか機能訓練をする事により機能回復という考えに丁度あっているんじゃないかと思います。国の方針としてこれまで歯科は、子供の予防は戦後、力を入れてきたのですが、皆様の資料の中に入れさせて頂いておりますが、8020を平成元年高齢になって歯が無くなる原因第一が歯周疾患という事ですので、その予防に国が初めて取りかかり始めました。平成7年度市町村が実施します老人保健事業の中における歯科健診、それから介護保険の中にも歯科医師や歯科衛生士に訪問して頂いて口腔ケアして頂くという事業が口腔ケアに入ってきました。国も子供の予防だけをしていたのでは、十分ではない中高年の歯科、高齢者の義歯とか口腔内を綺麗にしていく事について力を入れていかなければならない事が近年事業化しているような段階でございます。昨年、県も「健康実現えひめ2010」を策定しています。今日の為に県庁にも問い合わせてパンフレット300人いらっしゃるという事で用意して参りました。その中で項目が12項目ありまして1.栄養・食生活 2.身体活動・運動 3.休養・こころの健康 4.歯の健康 5.たばこ(喫煙)となっております。最初の3つはかなりこれまでの色んなボランティアさんの活動で普及していると思います。4.歯科 5.たばこの問題は、弱いなあ今後やっていける改善の余地があると思います。西条市におかれまして私は、関係の皆さんと力を合わせてこの問題を進めていきたいと思っているところです。 今年度から実は、西条中央保健所にも歯科衛生士が配置されておりまして、幾つかの課題に今後、強力に市町村・歯科医師会と連携をとり進めていけるよう、支援して頂けると考えています。この機会に、歯科衛生士の稲井さんを御紹介しておきます。また、保健所に来られる事がありましたら、歯科衛生士としてお気軽に御相談頂けたらと思います。今後、保健所と致しまして、一番に関係の市町村や歯科医師会そして学校関係と打ち合わせ会、連絡会として現状についての色んな話し合いの場を持ちたいと思っております。これまでそういった事も実は、出来ておりませんでした。今年度はそういった事をして、どこから取り組んでいこうか、どこが問題か是非やりたいと思います。実は、調査研究といったら大袈裟なんですが、先程、菊谷先生方からもお話がありましたように、高齢者のいらっしゃる福祉施設や老人保健施設の実態はどうなっているのか実態調査をやりたい。それを元に対策を考えていけたらという事も考えております。保健所としても今後是非、積極的に取り組みたいと考えております。宜しく御願い致します。
 
松原支部長
有り難うございました。保健所として実態を調査して今後の活動を検討していくという大変有り難いお言葉を頂きました。我々も協力してやって行きたいと思います。今後とも宜しく御願い致します。

宇都宮久記先生(県歯地域保健委員)挨拶
私は、初めて西条に参りました。城下町の落ち着いた雰囲気で、川や水がきれいで驚きました。昨日は、西条歯科医師会の先生方に口腔ケアシステムの確立を目指してどのように対処したらいいかという話をさせて頂きました。居宅療養管理指導のみが歯科医師が介護保険に参加出来るの唯一のサービスですが、請求がほとんど出ていなくて実際どうなっているのか会員の先生方の生の声を聞かせて頂きました。やはりその中で感じたのは一部負担金を頂きにくいという事でした。それから、介護保険が、始まって2年経つのですが、歯科医師会が今後どう係わっていけばいいか説明した後、口腔ケアの話をしました。即ち、先日中山町の施設を見学させて頂きましてその食後の口腔ケア風景等を撮影したものを皆様に見て頂きました。その後、松前町の升田先生の口腔リハビリNHKの番組の録画も見て頂きました。西条歯科医師会の先生方のその熱心さ、今後の高齢者の口腔ケアに取り組んでいく意欲をひしひしと感じました。
<口腔ケアの効果>
・感染予防
 肺炎の予防があげられますが、協力歯科医としてたまに往診するだけで施設で肺炎が減る大切さが分かっていません。
・口腔機能の回復
 口臭が無くなる。施設に初めて行った時、独特のにおいがあったという経験があります。先程、松原先生からも御説明があったように、義歯の清掃が悪かったり外せなくてそのまま放置されている事があります。咬めるようになると、食欲が増進しつまり食べれるようになると元気になります。
・全身の健康の維持、回復
 コミュニケーションの改善がはかられ介護の負担が減ります。
<なぜ口腔ケアが定着しないの?>
・歯科医師側の問題
歯科医師会には、口腔ケアの講習会、実技指導の依頼がありますが、歯科医師の戸惑い(治療とケア)があります。訪問歯科診療のみで精一杯というところが現状でしょう。また、介護保険が始まる前は、関心を持っていたが、いざ始まってみるとカヤの外に置 かれてしまって、歯科医師会の介護保険の事を勉強しようする先生が少なかった。であ るのに介護の現場からは、要望がどんどん来るのが現状です。行政との連携をとってい る支部は、愛媛県でも少しずつ増えてきました。これも素晴らしい事です。また、未経験な他職種との連携が必要ですが、例えば、訪問看護婦さん、ヘルパーさん等と接触する機会が無いのです。介護は、異質なものと勘違いして接触出来ていないのです。松前町では、月一回いろんな職種の方が集まって会議をしています。そういった会議は介護保険が始まったからこそ歯科医師会が参加出来るようになったのではないかと思っております。
・歯科衛生士の問題
 在宅歯科衛生士の不足しています。勤務しているだけでなく、歯科医院を辞められて仕事をしていない方がおられます。富山県では、調査して名簿の作成をし、口腔ケアを在宅でやって頂く、つまり職場復帰をして頂いております。愛媛県も在宅介護は、興味を持ってやっていかねばならないと思っております。
<愛媛県歯科医師会の事業>
・歯科訪問診療の推進
 マニュアルやポスター作成しております。
・介護保険対策
 居宅療養管理指導請求マニュアルの作成しました。ケアマネージャー試験対策として歯科衛生士にケアマネジャ−の資格を取って貰いたいという事で始めました。合格率は、普通30%なのですが、一昨年が、歯科医師が100%歯科衛生士50%、去年が歯科医師100%、歯科衛生士が40%、法改正を控えてだんだん問題が難しくなっております。
・簡易アセスメント表の作成
 歯科医師会で作りHPに掲載しています。
・現任研修で口腔ケアの講習
 去年、東・中・南予でケアマネジャーを対象に口腔ケア講習会を行いました。その中で菊谷先生からお借りした写真がかなりありましたので、この場を借りまして御礼を申し上げます。
・歯科衛生士教育
 県の事業として口腔衛生コンサルタントがありまして、講習会をしています。
・今後の事業予定
 菊谷先生を年5回、会でお呼びして各医療圏から歯科医師・歯科衛生士を推薦頂いて、摂食・嚥下の実習を含めた訓練をしまして、現場に直接送り込んでいく体制を作ってい きます。指導者を養成する事業を今年からする事が決まっております。また、厚生労働省の介護予防という事業の気道感染予防講習会を県の事業に取り入れて歯科医師会がやれるように、現在交渉中です。
<歯科訪問診療体制の確立>
・窓口の設置が必要です。
 保健センター内への歯科衛生士の配置 新居浜市にはいますが、健康日本21の環境整備の中にも各市保健センターに歯科衛生士を配置する事が挙げられておりますが、その歯科衛生士を窓口にして往診体制を作っていきます。
・歯科医師のリストアップ
 訪問歯科診療に対応できる歯科医師
・病院歯科との連携
 普段から連絡体制をとる事です。
・後方医療体制の充実
 緊急時の体制を整える。
・患者情報の連携プレー
普段から、ケアマネージャー、ヘルパー、ナースステーションの看護婦さん達から情報を貰えるようにしておく。
<訪問歯科診療のシステム化>
患者の情報をスムーズにするためのもので、今まで、電話をしたり口の中の状態を実際に診るために訪問診療をしたりしなくても、いける体制を作りたい。
<介護保険との関わり方>
・訪問調査
 松山市も同じ事をやっていますが、口腔関連項目の精査(嚥下・食事摂取・口腔清潔)
を今までは、調査員が御本人や家族の方に口でただ聞いているだけでした。実際のお年寄りの口の中の状態が出てこなかった。そこで、松山支部は、要望を出しまして、もっと詳しく調べて欲しいという事で、調査員の研修を重ねまして、訪問診療のニーズが増えてきました。口の中をみて気が付いた事があったら、訪問調査員の方に特記事項への記入して頂く事にしています。西条歯科医師会でも真っ先に取り組んでいかねばならない内容であると思います。
・主治医意見書
 地方局単位で介護保険広域リーダー会というのがありまして、歯科医師会の先生は、主治医意見書の不備をつかれて肩身の狭い思いをされているのですが、訪問歯科診療の必 要性の有無というチェック項目があります。要介護高齢者のニーズというのは、かなりあるんですけれども、全国で統計を取ってみると2%しかなかった。主治医の先生が口の中を診るはずがないのでして、主治医の先生に歯科医師会から訪問歯科診療の重要性、ここまで出来るという事を説明頂いて、口の中の情報が分からない時は、かかりつけ歯科医の方まで連絡を取って貰う事も今後必要な事じゃないかと思います。
・認定審査委員会
 歯科医師の積極的な参加
<行政や他職種との連携>
・行政との連携
 西条市とのこれまで以上の密接な連携や保健センターの事業に積極的に参加です。
・ケアカンファレンスの開催
・毎月一回、症例検討会を行う
・社会福祉協議会との連携
・ケアマネージャーとの情報交換
・他職種との連携
・介護保険広域リーダー連絡会
<施設の口腔ケア>
・施設長の理解
 これだけ口腔ケアがいわれまして、主任ナースの研修会も3年目に入りますが、かなり勉強して帰っていかれます。口腔ケアをやらなくちゃでも、施設長の理解がなかなか得られない。寮母さんも余計な議論が増えるんじゃないかと勘違いして、口腔ケアが定着しない、という事も聞いております。施設長の理解からスタートでここから始まります!
・口腔ケアチームの結成
 施設で口腔ケアチームの結成の必要があります。チームで勤務に合わせて誰か必ず責任者がいて、口腔ケアの面倒をみたり、指示をするようにする。講習会の参加、実技指導、その他。
・協力歯科医療機関の参加
 協力歯科医が決まっていますので、チームに参加して欲しいのです。口腔ケアプランをチームと共に作成します。入れ歯のネーム入れをボランティアでする事もあります。名前を入れておきますと紛失する事もありませんし、一斉消毒もできます。
・歯科衛生士の参加
 施設の口腔ケアのシステム化に歯科衛生士の参加は、必要です。
<在宅の口腔ケア>
・居宅療養管理指導
 往診行って義歯を作ったら終わりというのではなく、その後もフォローする。口腔ケアまで責任をもってやるというのが居宅療養管理指導の本来の姿だと思います。口腔ケアを視野に入れた内容を目指す!という事です。
・訪問看護ステーションとの連携
 摂食嚥下リハビリ実施するとき歯科医師や衛生士だけでは不十分ですので、訪問看護ステーションの看護婦さんがキーパーソンとなります。
・ヘルパー実技講習
 ヘルパーさんになられた方に聞きますと、講習の時、口の事を全く習わない。入れ歯の着脱や洗い方を全く習わないで資格を取っている。口腔清掃とか最低限の事は、教えていかないと、日常の口腔ケアには欠かせない存在ですので、口腔内の知識が必要なのです。
<口腔ケアのゴールは?>
 施設に於ける口腔ケアの定着には、業務の一環としてスムーズに負担なくやれるようになるには、最低でも3年位かかると思って下さい。現場の声としては、口腔ケアをもっと教えて欲しい。口腔リハビリをもっとやりたい。口腔リハビリの方法を教えて欲しい。等の要望がかなりきます。先に口腔リハビリから入っても難しいです。まず、口腔ケアから少しずつ入って、定着させてから口腔リハビリに入っていくのが良いと思います。名水の里、西条市で素晴らしい食事をいつまでも口から食べていきたいと考えておりま す。これは、歯科医師会で作ったポスターでして、”おばあちゃんの笑顔もみたいよな あ”そんな笑顔の高齢者で溢れる市、西条市になれると思っております。私もこれから頑張って取り組んでいきたいと思っております。どうも有り難うございました。

松原支部長
 有り難うございました。今回の講演会を開催致します一つのきっかけにもなりましたが、介護の現場から歯科に対して何かお話をして頂けないかという御要望が沢山ございました。只今の宇都宮先生のお話が参考になったのではないでしょうか。有り難うございました。それでは、御講演頂いた菊谷先生、御発言頂きましたパネリストの方々につきましてフロアから御質問をお受け致します。

会場からの質問
 老人福祉施設で仕事をしている者ですが、施設で日々仕事をしている中で歯のケアに関して困っている事がありますので、質問させて頂きます。
質問1.高齢により歯ぐきがやせてきたり、体重の変化によって入れ歯が合わなくなった場合、歯は入れておく方がよいと思うが、歯ぐきが丈夫なために無理に歯を入れる必要がないといわれたケースもあった。入れ歯の適応が困難な場合、歯ぐきを丈夫にするマッサージ等はどのようにすればよいのか。
質問2.痴呆症の方の場合、口を開けないために口腔のケアが困難となる事が悩みである。
  うがいも困難な場合もありどのようなケアをすればよいのか。
質問3.施設介護利用者では、入れ歯に名前を刻んでもらう事が必要になるが、(施設側が気をつけていても入所者が間違う時もある)金額的な事、何歳位から入れてもらえるのか、希望すれば入れてもらえるのか等、如何でしょうか。

質問1.に対する菊谷先生回答
 歯科医の立場から申しますと、入れ歯は入れて欲しい。入れ歯は入れなくてもなんでも食べられるとおっしゃってる方でも、食べられるものといっても、たかがしれているですよ。なんでもといってもその人にとっての基準でなんでもとおっしゃってるので、但し、その方がなんでもとおっしゃってるその上を望んでいるかが問題で、痛い思いをして動いてしまう入れ歯を入れるよりもこれでいいんだという人もいます。我々がしなければならないのは、保健施設の人を含めて、入れ歯を入れればもっと他の物が召し上がるかもしれないよという意欲をかき立てる様なアプローチをして、その為には、入れ歯が必要だというふうにもっていかないといけません。まず初めに入れ歯ありきになると、拒否になります。入れ歯を作る事が目的になってはいけないのです。より美味しく色んな食品が食べられる様にするには、どうしたらいいかそこに一つの手段として入れ歯があるという形でいかないとダメじゃないかと思います。ですから、なぜ歯科医としては、と言ったかと申しますと、極端な言い方をすれば、その人が満足しているなら、いろんな条件で入れ歯が入らないとしても全面的に受け入れてもいいと思います。ある一方では、入れ歯を入れる事が、目的ではなく、その方が何を望んでいるか、私たちが入れ歯が必要だと思わせる意欲をかき立てる事ができるかどうか、美味しい食事を目の前に並べて是非これを食べてみたい、どろどろしたものではなく、噛んで食べる喜びを味合わせてあげたい様な食事が並ぶかどうかと言う事で、その方がもう一度入れ歯を入れて食べてみたい寮母さんに「歯科の先生を呼んでよ」と思わせるようにして初めて人工臓器として入れ歯が機能を発揮するのではないかと思います。
 「歯茎を丈夫にするマッサージ」ですが、入れ歯が無くて食べると窒息に繋がるという事を念頭に置いて頂きたいのです。入れ歯は入れるようにしたい。入れ歯を入れなければ、歯茎の部分は、組織学的に変化してきてしまいます。暫く入れていない人に入れれば、痛いですし異物としか感じなくなります。その為、普段より口腔ケアが継続的に行われる事が大切です。もし、本日急性期の処置を行う病院の方がいらっしゃったら是非御願いしたいのは、例えば、脳卒中で倒れられたら、入れ歯は一時的に取り上げられます。ですが、なるたけ早い段階でお口の中へ戻してやって機能させて頂きたい。もし、機能出来なかったとしても入れて下さい。入れているだけでも食事の時外しても良いから入れてあげて下さい。入れ歯を継続的に入れてあげて歯肉に圧力がかかる事、中に入っている事が継続していないと元気になっても入れ歯を入れられなくなります。訪問歯科診療がシステム的に出来上がっています。ですから、寝たきりになっても入れ歯を作るのは、難しいのですが、早く対応していく、つまり、合わなくなって合わなくなって、やっと歯科医を呼んでも新しい入れ歯が入らないのです。早めに適合を治して対応していくようにして頂きたい。

質問2.に対する菊谷先生回答
 痴呆の方に対する処置は、ホントに難しい皆さん悩まれていると思うのです。それは、口腔ケア、イコール不快なことになっているから抵抗されるのだと思います。普段から全く係わりのない人が突然行って口を開けると言ってもダメです。我慢する事が出来ないですし、うまくそこに入れるかどうか、つまりは、重度の痴呆の方は、なかなか難しいと思いますが、認知機能が低下している方に口腔ケアが拒否か需要になるかは、ケアの質だと思うのです。それは、普段から口腔ケアだけでなく如何に係わってケアをなさっているかです。如何に係わっていくかと言うことは歯科医が云々する問題では無く、ケアの本質とは何かという話になっていくと思います。

松原支部長
中山町の高橋先生入れ歯に名前を入れるというご質問ですが、先生お答え頂けませんでしょうか?突然で申し訳ないのですが。

質問3.に対する高橋徳昭先生(県歯地域保健副委員長)回答
中山町の国保歯科診療所の高橋と申します。義歯の名前につきましては、医療保険の範疇では、ありません。技工士さんが、ボランティアで入れたり、いくらとは、申し上げられません。歯科医が訪問したときに入れたり、義歯新製時元々入れておいて対応しております。全員に1cm×5mm位の大きさで小さく入れます。本人に見える必要は、ありません。施設の方が分かれば良いのです。痴呆の方は、外して捨ててしまう事もありますし、人の入れ歯を平気で入れてどこへ行ったのか分からず探しまわって職員の方が慌てる事もあります。是非名前を入れて欲しいと思います。昨日、西条歯科医師会の先生方には、私のやっている方法を宇都宮先生からご説明頂いたようですので、お尋ね下さい。

松原支部長
有り難うございました。確かに義歯に名前を入れるのは分かるのですが、西条歯科医師会ではこうした事例がございませんでした。急に指名させて頂きました。申し訳ありませんでした。

会場からの質問
 質問4.在宅で訪問看護婦をやっております。嚥下障害に関してなんですが、在宅寝ておられる方は、既に義歯云々というレベルの方は、わりと少ない状態であって、デイケア週に1回多くても2,3回の係わりになります。ブラッシングで嚥下障害を緩和できると聞いたのですが、本当に効果があるのか、効果があるとしたら、効果的な方法や対象者はどのような方かお教え下さい。

質問4.に対する菊谷先生回答
 口腔ケア全てそうなんですが、口の中の中咽頭、舌根、口蓋垂等、器具が届くところを触ると嚥下反射を誘発します。異物であると咽頭反射、食物ですと嚥下反射になっていくのですが、そこの部分に常に刺激を与えると嚥下機能の回復がある程度みられます。また、ブラシによりブラッシング、舌苔をとる事等が嚥下反射の維持また向上に繋がると言われます。特に手段として用いる方法は、寒冷刺激法と言って氷の綿棒冷たく冷やした喉頭鏡とかマドラーみたいなもので擦るのです。そして、嚥下反射を惹起させようと言う方法が嚥下リハビリテーションで頻繁に行われています。口腔ケアと言う意味で口の中を常に刺激する事は、有効であると思います。具体的にどんな方が有効かと言いますと、嚥下反射が低下している方です。先程の嚥下ビデオレントゲン造影(Videofluorography;略称VF)でお示しした方で、頸椎が前曲している方や食道癌の方にアイスマッサージをしても意味がないのです。反射が落ちているのではなくて、異物がある又は、筋力が落ちている、上を向いて食べさせている方そんな方に効果はありません。まず姿勢から入っていかなければいけません。嚥下反射が落ちてきて気管の一部に入ってしまったり、食べ物が入っていった時、遅れてのど仏が上がる方です。具体的に言うとお茶を口の中に含んだだけでむせてしまう方は、嚥下反射が低下している方ですので、惹起する方法が有効でしょう。

会場からの質問
 質問5.ヘルパーの仕事をしようと勉強中です。祖母が転倒して頭を打ちまして、頬の麻痺があります。食事をすると口の中に食べた物が残ってしまいます。具体的口腔ケアの方法についてお教え下さい。

質問5.に対する菊谷先生回答
口の中の構造的には、歯があって頬・舌の粘膜があります。歯ブラシは、歯に使い、部分入れ歯が入ってご自分の歯が残っている方は、歯ブラシでブラッシング出来ます。今日の皆さんの資料の中にもサンプルを入れさせて頂きましたが、スポンジブラシは、粘膜のブラシでして、ほっぺたや舌の上を掃除するものです。また、残った食物をガーゼを使って取り除いても良いと思います。

菊谷先生追加
本日玉井歯科商店に展示して頂いております私の書籍の紹介をさせて下さい。
1.「かむのみこむが困難な人の食事」女子栄養大学出版
 嚥下とリハビリと言われますが一番最初に効果があることは、食形態を変えることです。のみこみにくい物をのみこみやすくすることです。
2.「訪問現場で活用できるやさしい食事指導」ヒョウロンパブリシャーズ
 歯科医師や医療関係者向きです。
3.「プロフェッショナル・オーラルヘルスケア」医歯薬出版デンタルハイジーンの別冊

松原支部長まとめ
【 ま と め 】
1.高齢者の健康寿命を延ばし、QOLの向上を図る
   歯科医師会では、口腔ケアの普及に努める
   実践マニュアルの策定と普及に努める
2.EBMに基づいた保健・福祉・医療を目指す
   評価項目を設定し、科学的・計画的に実践する
3.行政を中心とした、関係団体の密な連携を構築する
   組織の機能と有効性を高める
4.「健康西条2010」を目指す
   市民が理解しやすいスローガンを定める

1.「口腔ケア」と言う言葉自体が、一般市民に定着しておらず、その重要性が認識されていませんでしたが、今回の講演会の参加者は、口腔清掃の意義を充分理解されたと感じました。
 今後も一般市民に対して、普及と啓発に努めたいと考えます。その為にも、「マニュアル」策定が必要であり、時間をかけて取り組みたいと思います。
2.EBM(Evidence Based Medicine)とは、「根拠に基づく医療」と言う意味であります。
 ご存じの様に現在は、患者中心の医療に加え、医療経済学的側面での効率化が強く求められ、そのためにもEBMの実践が必要となりました。
 高齢者医療に限らず、高齢者福祉・高齢者保健においても、EBMの概念と導入は、大変重要な課題であると考えます。その為に、各分野において評価項目を設定し、科学的・計画的に検討を加 える必要があると考えます。
3.福祉・保健・医療と多岐にわたる専門分野を一つにまとめ、寝たきり老人の生活を総合的に支援するためには、行政(西条市・保健所)が中心となる必要があります。
 上記のEBMに基づき、@調査 A計画策定 B実施 C再評価の機能を有し、討議され決定された事項が、速やか且つ有益に実施される機関設定が必要であると考えます。
4.厚生労働省の「健康日本21」を受け、愛媛県でも「健康実現えひめ2010」を策定致しました。西条市においても、市民の理解と啓発を深めるため、分かりやすく、浸透しやすい標語を掲げると良いと考えます。「健康西条2010」のスローガンを立て、市民と関係団体が一体となり、取り組んでいく事を提言致します。
これをもってまとめとさせて頂きます。
 本日の講演が明日の皆様方ご自身の口腔ケアそしてお近くの高齢者の口腔ケアに役立てれば、幸いです。本日は大変有り難うございました。

講演会終了しましてから、介護の現場からの反響がありました。例えば、西条市内とある総合病院では、職員の意識が変わり口腔ケアに真剣に取り組むようになったそうです。また、各医院に来院された患者さんからいい話だったから来年も聞きたいとか、老人の患者さんの来院数が増えたとか色々ございました。また、新たに老人クラブ、国際ソロプチミスト等各種団体からの講演依頼もございました。どれもこれも嬉しいものばかりでした。
今後の行政と医師会等の連携としまして、
1.保健所
今回講演会の後、平成14年6月27日に平成14年度西条中央保健所運営協議会と新居浜・西条圏域保健医療推進会議が行われました。新居浜・西条圏域保健医療推進会議の中で今年度のテ−マは、「新居浜・西条圏域における学童の歯科実態把握と意識調査(仮称)」となりました。保健所調査研究事業として選定されました。地域事情に応じた、歯の健康づくりの推進に関する計画策定の参考となり、新居浜・西条圏域の今後の歯科保健情報の基礎となるよう、中学生の歯肉の実態の集計と意識調査を行う事になりました。これまで歯科保健については、歯科医師会などの医療機関と保健所や市町村の行政機関また養護教諭をはじめとする学校保健関係者の連絡・協議・検討をおこなう場がなく、これを機会に関係者が集まる(仮称)連絡調整会を立ち上げ、今後の取組みについて話合いをもつ事になりました。今後、西条中央保健所に初めて赴任した衛生士の稲井さんと定期的に会議をもち(市町村合併を控え)保健所の活動についてこちらも勉強していくことが多々あろうかと思います。
2.市保健センター
定期的な連絡会を行う方向ですすめていきます。
3.医師会との連携
懇話会を行い具体的議題として、歯科治療に伴う偶発事故に対する救急体制処置、介護保険の主治医の意見書、訪問歯科診療の後方医療体制の充実 緊急時の体制等の問題が上げれます。今後とも連携していきたいと考えております。

 最後になりましたが、 県歯理事是澤恵三先生には、講師派遣や県歯委員の派遣等諸々に渡りご尽力頂き、有り難うございました。また、アスティス(キッセイ薬品は増粘剤やゼリーなど・クリニコは濃厚栄養食ゆず味、味噌味など・明治は咀嚼困難食)いわしや医療器(青芳製作所は湯のみ、茶碗、箸、スプーンなど)玉井歯科商店(ライオン・サンスター・井上アタッチメントは、口腔ケア用品でして、形状記憶歯ブラシ、粘膜のスポンジブラシ等)は、ミニデンタルショーにご賛同頂きまして、当日は、日曜にもかかわらず会場を盛り上げて頂きましたことを、ここに厚く御礼申し上げます。
 
只今 受付準備中です。               ミニデンタルショ−も大盛況でした。
 
        西条市長挨拶                  松原支部長挨拶
 
       菊谷講師               福山西条医師会長先生と景浦保健所長にも実習して頂きました。
 
     歯科医師会の先生方               一般の受講者実習風景
 
    松原支部長と講師の菊谷先生       御出席頂いたパネリストの方々

熱心に施設関係者が質問されました。