去る平成17年6月5日(日)、西条市総合文化会館小ホールにおいて愛媛県歯科医師会西条支部主催、西条市、西条市教育委員会ならびに愛媛県西条保健所にご後援をいただき、今回で三回目となります市民講演会を開催致しました。
今年度のテーマは“喫煙”で、媛歯広報でもおなじみの県歯禁煙推進担当広報委員としてご活躍の長野寛志先生を講師にお迎えして『〜口からの全身健康〜歯なしにならないタバコの話』という演題でご講演いただきました。
当日は好天に恵まれ、280名余りの方々、西条市のみならず、ご遠方からも多数ご出席いただきました。誠に有難うございました。
まず西条市保健福祉部長藤田義規様、続いて愛媛県西条保健所長寺本辰之様、そして西条市医師会長松浦裕先生に御祝辞を頂戴し、その後長野先生の明快でソフトな語り口が心地よい内容いっぱいの講演と続きました。
ご参加いただいた市民の方々も“タバコ”という身近なテーマに熱心に聴き入っておられました。
講演終了後は、会場隣で同時開催致しました「禁煙支援各コーナー」において、禁煙相談やタバコに関するパネル展示、禁煙ビデオ上映等を真剣に巡覧され、タバコの恐ろしさに驚きを隠せないご様子でした。
禁煙相談コーナーには、西条保健所長・寺本辰之様、禁煙推進の会えひめ代表・大橋勝英先生をはじめ同会で熱心に活動を続けておられる先生方にご協力をいただきました。
当日の様子は、禁煙推進の会えひめのホームページでもいち早くご紹介いただいております。
http://www.geocities.jp/uen2003ehime/






















さて、本当はタバコを吸わない人が危険なんです。
〔動画〕主流煙と副流煙を多量に集めネズミを使って急性毒性の強さを比較する実験
開始3分後、副流煙にさらされたネズミは弱ってきたのか、動きが鈍くなってきた。一方、主流煙のネズミはまだ比較的元気。開始後6分、副流煙を浴びたネズミは痙攣を起こしている。急性中毒の症状を呈している。主流煙の方のネズミにはまだ痙攣などの症状は表れていない・・・
もちろんタバコを吸う人は、主流煙プラス閉めきった部屋で吸うと副流煙も吸うわけですね。
タバコにはいろんな薬物が混ざっています。この表でわかるように、実は主流煙よりも副流煙に含まれるいろんな有害物質の濃度の方が高いんですね。だから、副流煙だけ浴びていると、先程のネズミのように痙攣を起こしたりするんです。だから、建物の中でタバコを吸うっていうことは、タバコを吸う人はもちろん、吸わない人も実際には吸わされている、そういう状況で今までの日本社会は成り立ってきていた。その中で、タバコを吸わない人より吸う人の方がこれだけガンになりやすいなんていうデータが出ていたわけです。でも、健康増進法というものが始まりました。そうするとどうなるかというと、本来タバコを吸わない人がタバコを吸わされなくて済むんです。さてその結果、タバコを吸わない人は、正味タバコを吸わないことになるんです。そうなると、タバコを吸う人と吸わない人のガンのなりやすさなどはもっともっとデータ的に拡がってくるはずです。いかにタバコが悪かったかっていうのがより明確にわかってくるんです。更に、ジメチルニトロソアミンといった強力な発ガン性物質は、煙に含まれて漂って、一旦壁にペチャっとくっつきます。そこで終わってくれればいいんですが、また気化します。このホールがもし喫煙可能であれば、会館ができてからずっと蓄積してきたタバコが壁に付き、気化し、またソファに付き、そこからまたもう一回気化して床に付き、またそこから気化して・・・・とずっと繰り返すんです。だから、家の中でお父さんがソファでタバコを吸う、そうすると壁紙やどっかにいろんな発ガン性物質がいっぱい付く。毎日タバコを吸うもんだからそれらの発ガン性物質が日に日に増やされ、家事をする奥さんが旦那さんより先に肺ガンになって死んでしまう、そういうことなんです。今日来てみたらこの文化会館の中に喫煙コーナーがあります。オープンな喫煙コーナーがありますよね。一カ所でも喫煙コーナーがあれば、この会館全部を汚すのと一緒なんですよ。さっき講演前にこの舞台袖にいたら、どうもこの裏の部屋でタバコを吸った人がいたみたいです。タバコ臭かったです。そういうことを許しておくと、せっかくこんなにきれいな会館がいろんな毒物に晒され汚されてしまうんです。みんなで守りましょうよ。なかなかこんないい会館ないですよ。タバコを吸う場所なんかなくしてしまいましょうよ。健康増進法ではすべて違反ですから。
〔動画〕テレサテンの死因
1995年5月4日、タイ・チェンマイで気管支喘息の悪化による呼吸不全で亡くなった。死の直前、同室していた人のタバコの煙が部屋中モクモクと大変ひどい状況だったと言われている。そういう意味で、あるいは受動喫煙が死因だったのかも知れない。
タバコ税払ってるんだからタバコ吸う権利がある、なんていう主張をよく聞きますよね。なるほど喫煙する権利は当然あるでしょう。自分で自分の体を壊す権利もあるでしょう。でも他人の健康を害する権利はないはずです。なおかつ、2兆数千億円というタバコ税が入るんですが、試算をすると、タバコによる損失が7兆円を超えるんですよ。タバコの尻ぬぐいで、どれだけ多くの損失が出ているかということを、政府はしっかり認識していただきたい。そうじゃないと割が合わない。今のタバコ1箱が600円、せめて600円にならないと釣り合いがとれないと言われています。諸外国では1000円というのが当たり前ですね。ですから、タバコを吸わない人ひとりひとりが毎年4万円ずつタバコの尻ぬぐいのために税金を負担しているという計算が成り立つわけですね。
ケータイ灰皿を使った僕だけの公園になった・・・♪マナマナ♪ってコマーシャルしてます。そうじゃないんです。みんなはもう受動喫煙の害ってことに気がついたんです。あっタバコを吸ってる人がいる、あの周り半径20mは危ないぜって逃げるから自分だけの公園になっちゃったってことです。これはもうテロですよね。社内で息を抜ける場所がトイレのほかにあって良かった・・・こんなオープンな喫煙コーナーを作ったらその会社内は全部汚染されますからね。無駄なことにお金を使っているんですよ。
喫煙は人間にとって損ってことが明らかになり、病院は敷地内禁煙という方向に進んでいます。市内の村上記念病院ですか、7月からまず病院内禁煙からスタートするみたいですが、どんどん敷地内禁煙というのが病院では当たり前になってくると思われます。皆さんのサポートが是非必要です。お医者さんになる人はもうタバコを吸わない。日常生活ができてしまう麻薬に汚染されたお医者さんが治療をするというのがどれだけ危険なことか。細かい治療をしなければいけない、手術をしないといけない。その先生がニコチン切れでイライラしたまま、こんなもんでいいやってことになってしまったら患者さんは困るでしょ。だからまず医療系の学校などからタバコをやめていきましょう、ということなんですね。体育系もその能力を減退させてしまう、更に女性の体を守らなきゃいけない。名古屋女子大学では、去年の新入生からもしタバコを吸ったら自主的に退学しますという誓約書を全員が大学に提出しています。
健康増進法が去年施行されまして、受動喫煙をさせない努力が求められています。
さらに今年の2月からは、WHO(世界保健機構)主導によるFCTC・タバコ規制枠組み条約、子供たちをタバコから守るためタバコの流通の制限をしていこうという国際条約ができました。国内法よりも効力が上らしいです。この条約ができた結果、タバコの外箱面積の30%以上に、健康を害するという警告表示を義務づけることになっています。
新たに今後注目しておかなければならないのが、この煙の出ないタバコ(スモークレスタバコ)というものです。こんなものが売られ始めたんですね。ティーバッグ状のタイプ、噛むタイプ、そしてガムになっているもの。この表示見えます?ミントキシリトール・タバコガム、タバコ葉をブレンドしているガムなんです。一粒でニコチン1mg。こんなのね、子供たちが噛んでいてもわからないですよね。
こんなものをやっていると口の中にガンができて顎を切断しなきゃいけない。13歳でタバコを始め、17歳で口腔ガンができ、何度も手術をし顎をなくして現在27歳。噛むタバコでこういうふうになってしまうんですね。絶対やっちゃいけない。こちらは大リーグの選手、クチャクチャよくやってますよね
こういう歯ぐきのガンを引き起こすんですね。
ニコレットっていうガム、今日も展示して下さっています。これはタバコガムとは全く違うものなんです。タバコガムの方は、発ガン性物質なども含めてタバコ葉をブレンドしているタバコです。もうガムと呼んではいかんです。タバコです。それを隠すためにミントキシリトールなんか混ぜて売っています。なおかつ世界初です。スウェーデンから日本にやってきました。ヨーロッパでは敬遠されたんですね。日本は受動喫煙がうるさい、そこを狙って日本にだけ売り込もうとしている悪意に満ちたタバコです。一方こっちのニコレットは、タバコをやめるためにとりあえずニコチンを体に入れてイライラさせない、ニコチンエイリアンを油断させようとする禁煙支援が目的のガムなんですね。
ニコチンエイリアン増殖を食い止めるために、子供たちをニコチンエイリアンの餌食にさせないために、まずタバコ自販機をなくしましょう。民家の軒先に誰も監視もしていないタバコ自販機が放置されています。こんなものを許してたら、子供たちは入り浸り放題です。これはタバコ事業法違反です。
“タバコに手を出さない”、そんな勇気をタバコを吸わない人が持ち、タバコにこれから接するかもしれない子供たちが持ち、なおかつタバコを吸っててこの事実に気がついた人が持ち、“元気な生活”は口の中から、8020を達成する。そういう世の中になっていけば歯科医師としてこれ以上うれしいことはないと思います。
以上で僕の講演は終わりです。タバコは日常生活ができてしまう麻薬なんだ、そういうことをわかっていただけたでしょうかね。最後に後調査の方をお願いします。タバコへの意識がもし変わったと思われる方、ここでの気持ちを是非周りのタバコを吸わない人に話してみて下さい。タバコを吸わない人がこういう事実を知ることが大事です。そうすることで、“みんなであたたかく”タバコを吸う人を自分たちの側に引き寄せるんですね。あたたかくフォローしながら「克服しようよ」と傍でささやいてあげられる、あたたかい社会を築いていけたらと思います。決して禁煙推進活動が喫煙者を排除する、そういうファシズムではありません。本来の自分自身を取り戻す、その助けになればと思って活動を進めております。本日はどうも有難うございました。
あなたのタバコに対する意識をお尋ねします。以下の10個の意見について、あなたの気持ちに一番近いものをa〜dの中で選んで下さい。
(1)タバコを吸うこと自体が病気である。
a.反対 b.やや反対 c.やや賛成 d.賛成
(2)喫煙には文化がある。
a.反対 b.やや反対 c.やや賛成 d.賛成
(3)タバコは嗜好品(しこうひん)(味や刺激を楽しむ品)である。
a.反対 b.やや反対 c.やや賛成 d.賛成
(4)喫煙する生活様式も尊重されてよい。
a.反対 b.やや反対 c.やや賛成 d.賛成
(5)喫煙によって人生が豊かになる人もいる。
a.反対 b.やや反対 c.やや賛成 d.賛成
(6)タバコには効用(からだや精神に良い作用)がある。
a.反対 b.やや反対 c.やや賛成 d.賛成
(7)タバコにはストレスを解消する作用がある。
a.反対 b.やや反対 c.やや賛成 d.賛成
(8)タバコは喫煙者の頭の働きを高める。
a.反対 b.やや反対 c.やや賛成 d.賛成
(9)医者はタバコの害を騒ぎすぎる。
a.反対 b.やや反対 c.やや賛成 d.賛成
(10)灰皿が置かれている場所は、喫煙できる場所である。
a.反対 b.やや反対 c.やや賛成 d.賛成
(1)のみ左から0,1,2,3点、(2)〜(10)は左から3,2,1,0点の30点満点、
点数が高いほど、タバコを許容している(心理的依存度が高い)と判定されます。
講師の長野先生にこの結果をお知らせしたところ、大きな意識の変化が得られたことに大変喜んでおいででした。
「正しいタバコ情報を共有することが大切なんだと改めて気付かされました。西条のご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます」 とのメッセージをいただいております。ご協力誠にありがとうございました。