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第三回市民講演会報告 「歯なしにならないタバコの話」 

去る平成1765日(日)、西条市総合文化会館小ホールにおいて愛媛県歯科医師会西条支部主催、西条市、西条市教育委員会ならびに愛媛県西条保健所にご後援をいただき、今回で三回目となります市民講演会を開催致しました。
今年度のテーマは“喫煙”で、媛歯広報でもおなじみの県歯禁煙推進担当広報委員としてご活躍の長野寛志先生を講師にお迎えして『〜口からの全身健康〜歯なしにならないタバコの話』という演題でご講演いただきました。
当日は好天に恵まれ、280名余りの方々、西条市のみならず、ご遠方からも多数ご出席いただきました。誠に有難うございました。


まず西条市保健福祉部長藤田義規様、続いて愛媛県西条保健所長寺本辰之様、そして西条市医師会長松浦裕先生に御祝辞を頂戴し、その後長野先生の明快でソフトな語り口が心地よい内容いっぱいの講演と続きました。

ご参加いただいた市民の方々も“タバコ”という身近なテーマに熱心に聴き入っておられました。
講演終了後は、会場隣で同時開催致しました「禁煙支援各コーナー」において、禁煙相談やタバコに関するパネル展示、禁煙ビデオ上映等を真剣に巡覧され、タバコの恐ろしさに驚きを隠せないご様子でした。
禁煙相談コーナーには、西条保健所長・寺本辰之様、禁煙推進の会えひめ代表・大橋勝英先生をはじめ同会で熱心に活動を続けておられる先生方にご協力をいただきました。
当日の様子は、禁煙推進の会えひめのホームページでもいち早くご紹介いただいております。

http://www.geocities.jp/uen2003ehime/









「口からの全身健康」
歯なしにならないタバコの話
・ 主催:愛媛県歯科医師会西条支部  後援:西条市 西条市教育委員会 愛媛県西条保健所
・ 日時:平成17年6月5日(日曜日)午後1時〜
・ 場所:西条市総合文化会館小ホール
 
      [式次第]
開会
祝辞  西条市保健福祉部長 藤田義規
     愛媛県西条保健所長 寺本辰之
     西条市医師会会長    松浦 裕
講演  さおの森歯科クリニック院長 長野寛志
質疑
閉会
 
[西条歯科医師会ホームページ]
    http://www.dokidoki.ne.jp/home2/saishika/

愛媛県歯科医師会西条支部より開会のご挨拶

「タバコの害」と言って、まず思いつくのは肺ガンに代表される呼吸器の病気、心臓病、脳卒中、胃潰瘍、妊婦への影響などです。
しかし「タバコと歯周病」も、実は切っても切れない深い関係にあります。
歯周病は、細菌によって歯肉が炎症を起こし、歯を支える骨(歯槽骨)が破壊される病気です。
進行すると歯が抜けてしまう恐ろしい病気です。
そして喫煙は、歯周病を発症させ悪化させる極めて恐い危険因子なのです。
タバコは歯肉の血行を悪くしたり、免疫力を低下させます。
タバコを吸う人はタバコを吸わない人に比べて歯周組織の破壊が速いことが報告されています。
このメカニズムは、講演で詳しく説明していただけると思います。
歯周病の主原因はプラーク中の細菌です。したがって歯周病を治すには、まずプラークコントロール(歯磨き)が第一です。タバコをやめたからと言って歯周病が自然に治るわけではありません。
しかし、タバコをやめ、正しいプラークコントロール(歯磨き)を行い適切な歯科治療を施すことで、歯周病は大幅に改善させることが可能なのです。
逆に「禁煙しない限り歯周病を完治することは出来ない」と言っても過言ではありません。
タバコは「百害あって一利なし」です。歯周病だけでなく、口腔ガンのリスクも減り、口臭が減る、食事がおいしく感じられる等、利点をあげれば数えきれません。
タバコをあきらめますか? それとも一生分の楽しく美味しい食事をあきらめますか?
本日の講演が、皆様方の「口からの全身健康」に役立てば幸いであります。大変お忙しい中、ご参加頂きました事にお礼を申し上げ、ご挨拶とさせて頂きます。
                             愛媛県歯科医師会西条支部   会員一同

西条市保健福祉部長藤田義規様祝辞

 本日ここに、平成十七年度口腔衛生週間行事に併せ、愛媛県歯科医師会西条支部主催による「第三回市民講演会」が開催されるにあたり、一言お祝いを申し上げます。
近年、歯の健康に関し、歯周病などの要因としてタバコによる弊害がクローズアップされております。
また、たばこは肺がんや心臓疾患をはじめとして、多くの疾病の危険因子ともなっております。
そのため、国内だけでなく、世界的に喫煙に関する活動が広まっており、タバコを控えるようにという呼びかけや、喫煙と健康問題についての知識の普及、分煙など適切な喫煙対策、受動喫煙の防止対策など、さまざまな取り組みがなされております。
このような状況の中、愛媛県歯科医師会西条支部のお力添えによりまして、「タバコと歯の健康」に関する講演会が開催される運びとなりましたことは、誠にありがたく心から感謝申し上げる次第でございます。
歯の喪失は日常の社会生活に大きく影を落とし、食事や会話などの機能に支障を来たすなど、快適で豊かな人生を阻害する重大な因子となります。
どうか皆様方におかれましては、先生のご講演から「歯の健康」について、更に知識を深められ、いつまでも健康な歯を保ち、健やかな生活を送っていただくことを、切に念願する次第でございます。
結びに、本日の講演会の開催にあたり、多大のご尽力をいただきました西条支部の皆様に深甚なる敬意と謝意を表しますとともに、ご参会の皆様方のご健勝、ご活躍を祈念申し上げまして、私の挨拶といたします。
                           

愛媛県西条保健所長寺本辰之様祝辞
皆様こんにちは。私どもがタバコ対策に取り組み始めたのはおよそ15年程前でございます。
その当時はタバコ対策といってもなかなか理解が得られない、何故そんなことをしなくてはいけないのか。
むしろ疑問の声が非常に多い時代です。
そういう時代から比べると世の中だいぶ変わったなあというのが私の実感でございます。
まして、歯科医師会の先生方がタバコ対策をメインテーマにこのような講演会を開いて下さるということは、もちろん愛媛県下では最初でしょうし、四国でもまず初めてだ思います。全国的に見てもまだまだ極めて珍しいことだと思いますが、おそらくこれから相次いで各地の歯科医師会の先生方もこのような会を開いて下さるのではないかと心から期待しています。
もちろん本来であれば、私ども行政機関が先頭に立ってやらなきゃいけないタバコ対策なんですが、皆様方もご存知のように県におきましてもなかなか思うにまかせないのが現状でございます。
そういう中、「禁煙推進の会えひめ」という会がございまして、その先生方が熱心にタバコ対策に取り組んで下さっているおかげで、県においても徐々に変わってきております。
また本日講演して下さる長野先生、四国中央市におられますが、彼が四国中央市でタバコ対策の重要性を訴えて下さったおかげで、四国中央市は県下で最初の学校敷地内禁煙を宣言する、そういう街になってくれました。
続きましてこの西条市におきましてもこの4月から学校敷地内禁煙という素晴らしい偉業を達成できたのです。これもボランティアで禁煙推進をして下さっている先生方の力が極めて大きかったなと心から感謝する次第でございます。もちろん県の方でもより一層熱心に取り組む所存でございます。
ここで私どもがタバコ対策を問題にしていることについて数字を挙げてお話してみたいと思います。
日本では一年間に病気その他で亡くなる人がおよそ100万人ぐらいいます。
そのうちの11万人がタバコが原因で亡くなっていると言われています。交通事故で亡くなる人が8千人ということを考えますと、あまりに大きすぎる数字で逆にピンとこないかも知れません。しかしそれが現実なんです。
世界で見てみますと、400万人の方が一年間にタバコが原因で亡くなっていると考えられています。
これほどのものをなぜ国が放置しているのかという当然の疑問が湧いてくるでしょうが、永年のしがらみの中でなかなか対策が少ないのが現状でございますが、一昨年5月には、健康増進法が施行され、受動喫煙を防がないといけないというこういう情報も入ってきますが、また今年2月にはWHO(世界保健機関)がタバコを取り締まるための枠組み条約というものを提唱し発行しました。
今後タバコ対策は急速に進むでしょうが、本日ここに来られている皆さんが長野先生のお話をお聴きになった後、それぞれの地域にお帰りになって、まず我が家のタバコ対策、そして近くの公民館のタバコ対策、あるいは近くの
お店のタバコ対策、そういう身近なところから着実な働きかけをして下さることを心から願っております。
そうすることによってタバコの煙のない安全安心の街づくりができることを心から祈念申し上げまして私のお祝いのご挨拶と致します。
本日はどうもおめでとうございます。

西条市医師会長会松浦裕先生祝辞

只今ご紹介いただきました西条市医師会会長の松浦でございます。
タバコの害の問題に関しましては、寺本先生の方から詳しくご説明がございましたが全くそのとおりでございます。
ご紹介にもございましたように、西条歯科医師会と西条医師会はずっと以前から非常に密接な関係にございまして、日頃から地域医療活動を通しまして歯科医師会の先生方に多大なお世話になっておりますことを改めてお礼申し上げたいと思います。

ここで少しタバコのお話をさせていただきます。
愛媛県医師会では、副会長の大橋先生や寺本先生のお力添えによりまして、日本の医師会に先駆けて禁煙に取り組んでまいりました。
平成14年の5月31日世界禁煙デーの日でございますが、3年前のこの日に愛媛県医師会は会館全館を禁煙にするということを実施しております。
これは県内郡市の医師会でも全館禁煙となっております。
それから、これは長野先生にもお世話になったと思いますが、平成14年10月5日に愛媛県歯科医師会主催で禁煙フォーラムというのを開きました。
「子どもとタバコ〜タバコのない世界をめざして〜」というテーマで盛大に行いました。
そして、平成15年10月16日には禁煙推進宣言を実施しております。
現在も平成17年度の事業として禁煙推進委員会を設置して、禁煙支援をする、啓蒙するという計画であります。
さて、西条医師会はどうかと申しますと、西条医師会内では禁煙をしましょうと申し合わせたなかったのですが、自然消滅的に喫煙がなくなりまして、現在では自動的に完全に禁煙となっております。
喫煙者自体も非常に少なくなってきておりまして、医師が喫煙するのはよくないというのが定着してきた証拠だと思っております。
また公式の場ではいわゆる受動喫煙の問題がございますので、少なくとも公式の場ではタバコを吸わないようにしようという動きでございます。
例えば、忘年会など懇親パーティーの席では一切禁煙ということで、タバコを吸う方はその場を出てしかるべき場所で吸うようになっています。
これは最初確かに抵抗がありまして、なにもそこまでお酒の席でしなくてもいいじゃないかという意見もございましたが、これもやってみますと全然反対意見がでないということでございまして、今では大変有難く思っております。
皆様方もいろいろな会に出席される場面があろうかと存じますが、只今の話のように、公式の場では喫煙しないというのを実践していただければ幸いです。
これがもう現代の日本の常識になりつつあると思っております。
ですからどうぞ本日の長野先生の講演会を聴いて帰られまして、職場なり家庭なりでお話をしていただいて少しずつ輪を広げていっていただければ非常によろしいのではないかと考えております。
本日の講演会が成功されますことを祈念致しまして甚だ簡単ではこざいますが私のご挨拶とさせていただきます。
大変おめでとうございました。   


長野先生講演抄録

人が生きていく上で必要な食物摂取。
歯、歯肉、舌、頬粘膜などが多くの筋肉・骨により裏打ちされ、複雑に機能しながら、この『食べる』を成り立たせています。
そして、『食べる』という“本能”の働きに大いに関与する部位すべてが、我々歯科医師が治療対象にしている口腔です。
現在日本歯科医師会では、80歳になっても自分の歯を20本以上残そう!と『8020運動』を推進中です。これは、『噛む』刺激が脳の活性化に作用することがわかり、そこから全身の健康に結びつくことがわかってきたからです。
Quality of Lifeを向上させるには、まず口の中の健康を守ること、“噛める”が大切です。


その『噛む』ことに必須となる歯を失う2大疾患が『う蝕』と『歯周病』。
共に、関与する細菌の種類が明らかにされ、その除去(プラークコントロール)が重要視されています。
う蝕の場合、歯に付着した細菌がショ糖を栄養源に酸を作り、歯を脱灰して進行していきます。歯周病の場合、歯の辺縁の歯肉から進入した細菌と体の免疫との攻めぎあいから、歯を支えている骨などの組織が失われていきます。

しかし、現代生活の中で歯を守るためには、細菌を除去するプラークコントロールだけでは足らず、実はもっと問題視すべき『タバコ』の存在がクローズアップされてきました。
特に歯周病においてその最も問題視すべきリスク因子だとわかってきました。
細菌と戦うべき免疫の力を働かさないように関わることがわかってきたからです。
口の中は無菌状態にはできません。ですから100%のプラークコントロールを維持することはできません。

しかし、タバコのリスクはタバコをやめれば0%に改善できます。
ところが、喫煙者の70〜80%がタバコをやめたいと思っているにもかかわらず、やめられません。
どうしてでしょう?それは喫煙者自身が、タバコのメリットを感じているからです。
けれど、これは幻想・まぼろしです。蜃気楼なんです。
『愛煙家』といいますが、タバコ以外の煙を吸う人を見かけません。「これはイチョウの葉ですねえ。」とか「今年の柿の葉は甘みがちょっと…」とか聞いたことがありません。
焚き火の煙の如くただむせるだけでしょう。

では一体『愛煙家』とはなんでしょう?
スーパーで食材を買うとき、発がん性物質の含有がもし表示されていたなら、みんなそれの入ってないものを選ぶでしょう。
タバコには60種類の発がん性物質が含まれているにも関わらずです。
このように巧みにタバコに関して人々は思考を混乱させられ、薬物に依存させられ、タバコは蔓延しています。それらを一つ一つ解きほぐし、もやもやの下でタバコと付き合わざるを得なくなっている人の頭上に、タバコを吸い始める前の晴天をもう一度取り戻すきっかけとなるお話ができればと考えています。

『タバコはやめたければ、やめられます』最後に『タバコの正体』を知り、膝を打ち、腑に落ちて“そうなんだ!もうやめた!”と言ってもらえれば“脱煙”推進歯科医師としてとても幸せです。
なぜって?だって、あなたの歯がまたひとつ守られるのですから。

長野先生講演内容
皆さん、こんにちは。
今日は愛媛県歯科医師会西条支部の皆さんのご厚意によりまして、こちらでタバコの話をできるようになりました。
有難うございます。平成15年あたりから僕もタバコの話を聴く機会がございまして、その時愕然としたんですね。自分自身はタバコを吸わない。
これはお袋から小さい頃から絶対あなたはタバコを吸っちゃダメ!とずっと刷り込まれました。
ですからその後いろんな誘惑もありましたが、その都度お袋の顔が思い浮かびまして、結局タバコに関わることなくここまできたわけです。
そして自分がタバコを吸わなければそれでいいだろうと思っていたんですが、さる先生からタバコについて詳しくうかがったところ、タバコを吸わない人が実は強く影響を受けているということ、この日本の社会では、タバコを吸わない人が健康面でずいぶんと損をしていることに気付かされました。
そこで、僕が愕然としたこの事実を是非皆さんに知っていただきたい、そこでまた皆さんが疑問に感じ、こんなんじゃいけないんじゃないかと思われたことを周囲の方たちに広めていただきければ、というふうに思いまして、このような活動を始めています。
“目からうろこ”となるようなタバコの話ができるんじゃないかなと期待していますので、最後まで目をこらしながら耳をすましながらおつきあいいただけると幸いです。宜しくお願いします。



それでは始めたいと思います。
〔動画〕  若く美しい女性が恋人とレストランで食事中。
タバコを吸いたくて我慢できなくなった女性はトイレに入り、つかの間の喫煙タイム。
そのとき、天井のセンサーがタバコの煙を検知して作動しはじめる。
女性が慌てふためく中、無情にもスプリンクラーが大量のシャワーを彼女に浴びせる。


結構笑うでしょ。僕もこの映像を見たときに笑っちゃいました。
でもですね、今日の話をずっと聴いていると、もしかしたら悲しくなってくるんじゃないかな、笑えなくなってくるんじゃないかなと思うんですね。
何でこの女性がこんな目に遭わなければならないのか、是非そこのところを考えながら聴いて下さい。



最初に司会の方からご案内のありました、前調査というのを皆さんにお願いしてました。
講演をお聴きになる前の最初の段階で、社会的なニコチン依存度というのを判定させてもらおうと思います。
社会的ニコチン依存というのは、タバコを吸わない人がどの程度タバコのことを許容しているかを調べるものなんですね。
実はこの日本という国は、3割くらいしか喫煙者がないんです。
7割の人はタバコを吸わない、なのにタバコがなくならない。
ていうことは、タバコを吸わない7割の人がタバコの事実を知らされていない。
タバコの本性を見抜いていない。そういう社会であるから、なかなかタバコがなくならない。
そこのところを(言葉が悪いですが)あぶり出すための質問票なんですね。
そして、最初の段階でこの程度許容していた、それが、講演終了後の後調査で意識がどう変わるかというのを後で見させていただきたいと思っています。



ものを噛むのに脳が使われるのが赤いところです。
通常の噛み方ですと赤い部分は少ないですが、強く噛むと赤い部分の面積は増えます。
噛めば噛むほど脳は使われます。
軟らかいゼリーを噛むときより硬いおせんべいを噛んだ時の方が、使われる脳の面積が広くなります。
これがよく噛むと脳がよくなるといわれる大もとなんです。
だから8020、80才で20本の歯をしっかり残しましょうという運動をしています。
認知症いわゆるボケにならずに人間らしく生きるためには、自分の歯でしっかり食べることが大切なんですね。



その歯をなくす原因であるむし歯や歯周病ですが、今日のテーマはタバコの話ですから、歯周病に重点を置いて話していきたいと思います。
タバコが歯周病の悪化に大きく関与しているわけですね。
プラークコントロールをしましょうと言います。でも、プラークをゼロにはできないんです。
口の中の細菌を無菌状態にすることはできません。
一晩寝ればまた増えてしまいます。
少ない数に減らすことが精一杯ですね。
だけどタバコのリスクっていうものは、タバコを吸う人は100%あります。タバコをやめれば0%になりますね。
こんな画期的な歯周病の予防法ってないんです。



なんで今日歯医者さんがタバコの話をするんだろうっていうふうに思われたんじゃないかな、最初は。
ですけど僕はこう考えています。
タバコを吸う場所、そこはどこでしょう。
耳でもなければ鼻でもない、口ですよね。
そこを担当しているお医者さんて誰でしょう。
歯医者さんなんですね。
一番濃い濃度の毒物がぶつかる場所を治療しているのが実は歯医者、歯科医師なんです。
その人がなんでタバコのことを言わないんだろうっていう疑問が私のスタートなんです。
僕がやらないで誰がやるの、僕が担当しているところを痛めつけられ、さらに肺や心臓や胃や生殖器などに影響を及ぼすタバコ、自分たちがそこでブロックしないがために、もっと先のお医者さんたちに迷惑をかけてしまっているそういう事実に気が付きました。



タバコを吸う人は歯周病の進行が速いです。
そしてなかなか治りません。
どんなにいい薬を使おうがどんなに優れた手術を受けようが、一時的にはよくなってもタバコを吸い続けると結局は進行してしまうんですね。
歯周病という病気は、歯の周りにプラークが溜まります。
そして歯ぐきの中にバイ菌が入り込むんですね。
通常ですと、体の免疫力=スーパーマンが登場します。
そしてバイ菌が入り込んできているところにいっぱい血を集めるわけですね。
赤血球がたくさん集まってきて、まるでギュウギュウづめの満員電車状態です。だからパンパンに腫れて真っ赤っかになります。
赤くなるのは決して悪いことではないんです。
よく勘違いなさるのは、歯周病で歯ぐきが腫れて赤くなってるから歯磨きをしないでおくという方がいますが、そうではないんです。
腫れて赤いのは、ここにバイ菌がいて大変だぞって教えてくれているんですね。
だからそこをよく掃除してもらわないと歯周病はよくならないんです。
なおかつここの中にスーパーマン=白血球とかマクロファージなどが出てきます。
そしてバイ菌と直接戦います。白血球は赤血球よりも粒が大きいです。
血管は網目タイツのような状態なんですね。
通常の状態の網目タイツだと大きな白血球の粒が出られない。
だから網目を大きく広げてあるんですね。
そこから白血球などが出てバイ菌をたたいてくれるんだけれども、血管が開いているわけですから歯磨きをちょっとしたらドバッと出血します。
出血しやすい状況になってしまっているわけです。
でもこれって体自体が歯周病のバイ菌と戦おうとして腫れたり赤くなったりしているわけなんですよね。
だから歯ぐきが腫れて出血しやすい場所、そこにバイ菌がいるから手助け=手で助けるために是非歯ブラシを持って磨いて下さい。
それがまず歯周病の治療なんですね。
また、タバコを吸いますとその作用で血管は全部閉じてしまいます。
だからタバコを吸う人だと、バイ菌のいる場所があっても血が集まらないし、歯ぐきが腫れてこない。
白血球の大きな粒だって血管が閉じているから本来の働きができなくてバイ菌をたたけない。
もうバイ菌のやりたい放題なんですね。
ですから体の免疫力がちゃんと働くようにタバコをやめましょう。
タバコは歯周病を悪化させますよというのはこういうことなんですね。



それでは、うちの診療室で取り組んでいる禁煙指導、そのアプローチについてお話しましょう。
“ささやき”を中心に進めております。
その内容をお話しますと、自家歯牙移植というのがあります。
歯を一度抜きましてね、植え直しをします。
歯ぐきよりはるか中の方にまでむし歯を作ってしまっているときに、そのまま被せを作るとまた中が溶けてすぐにはずれてしまいます。
そこで、一旦この歯を抜きます。
通常ですと、「残念、手遅れでした。この歯は抜いてブリッジにします」ということになるんですが、180度ひっくりかえして植え直すと、1ヶ月もすればまたしっかり根づくんですね。
ですが、タバコの煙を吸い込むと、血管がみるみる閉じてしまいます。
骨をまた再生するために建築資材を運んでもらわないといけないんだけれども、血管が閉じられているから、建築資材が運ばれない。
その結果、植え直ししようとする歯が根づかないんですね。



それはインプラントにおいても同じです。
歯がないところにインプラントを植えます。
インプラントと周りの骨がひっつかないといけないんだけれども、タバコがありますと、ひっつかないように邪魔されてしまうんですね。
だからタバコがあるとまずい。
「タバコさえなかったら、ここのところよく噛めるようになるんだけどなあ」と耳元でささやくんです。
「えっ、そうなんですか?タバコをやめればまた歯があった頃のようにしっかり噛めるようになるんですか?」という気持ちになったところで、「そうなんですよね、実はタバコはね」という話に入るんですね。



歯ぐき、黒っぽく見えますね。この人21歳の女性です。
14歳から吸い始めて1日40本吸っています。
こちらの35歳の女性も歯ぐきが真っ黒になっていますね。
タバコやめたいけどやめられないんです。
7歳の男の子です。前歯の歯ぐきの部分に黒ずみが見られますね。
お父さんはかつてすごいヘビースモーカーでした。
随分説得を繰り返してタバコをやめていただきました。
学校の先生なんですが、今では教え子たちに「タバコはダメだぞ、お前たち絶対にタバコ吸っちゃいかんぞ」って言っています。
その人の息子さんの歯ぐきです。
お父さんが家で吸うタバコの受動喫煙によって害を被っていたんですね。



僕だけの常識なのかも知れませんが、20歳までにむし歯にならなければ、20歳以降、新たなむし歯はあまり発生しないと考えています。
20歳までに治したところについては、二次カリエスといった問題も起こってくるけれども、それまでにむし歯にならないっていうことは、この人はむし歯の菌よりも歯周病の菌の方が口の中に多いんだろうなという認識なんですね。
この人は20歳 過ぎから学校に行ったかなんかで旧川之江市を離れていました。
そして27歳になってまた戻ってきました。
すると口の中の歯あちこち手をつけられ治されているんです。
で、ぼろぼろになっているんです。
一体どうしたの?って聞いたら、タバコしか思いつきません、向こうに行ってる間にタバコを吸い始めてだんだん吸う本数が増えて、今では1日40本吸っています。
他にはどうも生活で変わった要素もないようです。
タバコがむし歯の原因になっているのではと考えるわけです。
タバコの煙からは酸性物質がたくさん出ています。
これらがむし歯を起こしてるんじゃないかと考えています。



歯周病に話は戻りますが、この写真で歯ぐきの高さを表しているのが黄色いラインです。
見た目はちゃんと歯ぐきがあるんです。しかしレントゲンを撮ってみると、骨がずっとなくなっています。
先ほど話に出てきましたが、歯ぐきの中にバイ菌が入ってくる、だけど免疫の力が全く機能できないので、バイ菌のやりたい放題、食い散らかし状態です。
歯ぐきだけ残って骨がない、そういう状況がつくられているんですね。


口の中のガン、口腔ガン。
僕は直接見たことはないのですが、最近のニュース報道を見ていますと、口腔ガンが増えてきているような印象があります。
唇のガン、ほっぺたのガン、舌ガン、あとこれは白板症といって前ガン病変ですね。
これが後にガンになることが多いんです。
残念ながら二子山親方、つい最近口腔底ガンで亡くなりましたね。
この人、有名な話があるんです。
自分自身がどうしてもタバコをやめられなかった。だから体が大きくならず、ねばり腰があったけれども大関どまりだった。
後輩の千代の富士を見て、お前は素質があるよ。絶対にタバコはやめろ。
その言葉で千代の富士、今の九重親方はタバコをやめました。
そうしてあのような大横綱になったんですね。
残念ながら花田勝さんは最後に二子山親方を送るときに、大好きだったタバコを棺に入れてあげたそうです。
お父さんを殺した大もとですよ。そのタバコをまず棺に入れてあげなきゃいけないそういう認識っていうのが、タバコの本来の姿がなかなか世間一般に理解されていない証拠だなととても悲しくなりますね。



タバコは全身にいろんなガンを発生させるといわれています。
タバコを吸ってる人は吸わない人よりもこれだけガンになりやすいですよっていわれるんですね。
口腔ガンから肺のガン、ご覧のように口から離れていけばいくほどその倍率は下がっていきます。
高い濃度の発ガン性物質がいかに上の方で作用しているかが表れていますよね。
因みに全ガンでの死亡の危険性はタバコを吸わない人の1.6倍といわれます。
1.6倍という数字は、漠然としてよくわからないと思います。
わずか0.6増えるだけじゃないかと思われるかも知れません。
でも、例えば、ある種のガンのなりやすさを1.6倍増やすようにする目的で放射線被曝をさせるとしますと、どれだけの放射線量が必要でしょうか?
実は、広島に投下された原子爆弾の爆心地からわずか2.5qの地点で被曝したくらいの放射線を浴びないと1.6倍に増やせないといわれています。
だから、喉頭ガンの32.5倍にしようと思ったら、ほとんど爆心地で浴びないといけないくらいですね。



中国では現在モータリゼーションがすごく進んでいます。
僕びっくりしたんですが、トヨタ自動車がこんなことを考えていたんですね。
中国で車社会になったら排気ガスの問題がすごく出てくる。中国で排気ガスの問題が起これば、そのまま風に乗って日本にやってきてしまう。
だからそうなる前に、最新鋭の車を中国に売りに行かなければいけない。
公害のない車を中国に売り込まなければ、後で日本がえらい目にあってしまう。
こういう展望で取り組んでいるんだそうです。
こういう先進的な企業があるんです。
これと同じことで、タバコっていうのは20年、30年して少しずつ時限爆弾を体の中に仕込んでいく。
ドカーン、ドカーンとなった時に大騒ぎしたってもう遅いんですよ。
取り返しがつかないんですよね。
そうなる前にできること、それは排気ガスの少ない車を開発して売っていくことです。
それは最初の内は損かも知れないけれど、将来を見据えて考えると絶対に得になる。
つまり、一人一人がタバコを克服していく、タバコのない社会を作っていく、そうすることで、今すぐは無理ですけど、20年、30年経ったときに、あの時タバコに対してNOと言ったのが今、成果が上がってきてるねって言える。
このままズルズル行っていたらそれがまたさらに先延ばしになってしまうんですね。
タバコをやめたいのに「俺、意志が弱いからなあ」と言う人がいます。
果たして意志が弱いからやめられないんでしょうか?こう考えてみて下さい。
大好きなおもちゃを子どもから取り上げます。
意志の強い子と弱い子の両方からです。どっちの子が先にあきらめるでしょうか?意志の弱い子が先にあきらめるのではないでしょうか?
だったら、タバコを吸っている人からタバコを取り上げた場合も、意志の弱い人が先にあきらめるはずでしょう。
つまり、タバコをやめられないのは、意志の強い弱いではないんです。
実は薬物の魔力につかまっているということなんです。



タバコ会社のキャンペーン。
大人の嗜好品ってどんなんだろう。20歳まで待てないや。10代の子どもたちは広告に煽られて興味津々です。
シャキーン!ものすごく清涼感を演出しています。
CMモデルの女性の容姿がスリムで爽やかな感じ。
これって年配の人たちを誘っている広告じゃないでしょう?
明らかに若者向けに考えられた広告ですよね。



その結果、1965年から20代の女性の喫煙率は、タバコ会社の戦略どおりどんどん上がり続けています。
若いお母さんが、子どもさんをチャイルドシートにくくり付けて、閉めきった車の中でスパスパタバコをふかしています。
その子どもたちが今後10年、20年の間にどれほどの影響を受け続けるのか心配でなりません。
〔動画〕 タバコCMに起用された男性タレントの証言
バコ会社の重役が言っていた。「喫煙する権利なんかガキと貧乏人と黒人とバカにくれてやる。
俺たちはそんなモノには手を出さない」1日当たり数千人の子どもを喫煙に引きずり込むことが仕事だと言われました。
肺がんで死ぬ喫煙者の欠員補充だと。中学生くらいを狙えとね。
これらが事実であることは、タバコ会社の社内文書からも明らかです。

〔動画〕 
私の兄は颯爽としたカウボーイ役でタバコ会社のCMに出演した。タ
バコを吸うことは男らしく格好いいことだとアピールするためにね。
しかし兄はわずか51歳で肺がんで死んだ。
体中にチューブを付けられて横たわった姿のどこが男らしいと言うんだ。
タバコは人を殺す。私が証人だ。タバコは吸っちゃいけない!そう言いながら兄は亡くなったんだ。


ではここからは、タバコの3大毒物と言われるニコチン、タール、一酸化炭素について見ていきましょう。
まずタール。タールとは直接関係はないかも知れませんが、粉塵の問題を考えましょう。
2000CCのターボディーゼルエンジンを積んだ車、これを閉めきった車庫の中でアイドリングした状態で30分間放置します。一方で、同じ条件の車庫の中でタバコ3本を燃やします。
この後、30分後に両方の車の中の粉塵の量の数値を測定しました。
さて、ターボディーゼルとタバコどっちが多いと思いますか?はい、講演の主旨をよくお分かりいただいていますね。
そう、タバコの方なんです。でもちょっと多いくらいだと思うでしょう。
しかし実際はタバコ3本の方が10倍も粉塵の量が多いんですね。
だからタバコを吸わない人が一人でもいるところでは絶対にタバコは禁忌。
先ほど西条市医師会の会長先生がおっしゃってました懇親会では禁煙、これが当然のことなんですね。
愛媛県歯科医師会もこの5月22日に禁煙宣言を出しました。
その中で歯科医師会が主催する会、懇親会を含め例外なく全面禁煙という条文を入れています。



そういう粉塵・タールが肺の中に溜まってきます。
現在、肺ガンで亡くなる人が日本で年間5万5千人ほどいます。
1985年、阪神タイガースが優勝した年ですけれども、この年には、肺ガンで亡くなった方2万7千人ほどでした。
そして数年前、星野監督の下、18年ぶりだかで優勝しましたね。
この間に肺ガンによる志望者数は倍増しています。そんな病気ってあります?ないでしょう?




胃ガンはどんどん減ってきています。
それに対し肺ガンはどんどん増加してきてるんですね。
今やガンによる死亡の中で肺ガンの死亡率はトップですよ。
僕が子どもの頃は、川之江市でしたから、製紙工場の煙がモクモク、ヘドロは垂れ流し状態ですごく環境が悪かったです。光化学スモッグもしょっちゅう見てました。
今の子どもたちは光化学スモッグなんて何それって感じで知りません。
川は汚れていたのにいろんな魚が戻ってくる。
つい最近東予市今の西条市の川にカブトガニが見られましたよね。
環境はすごくよくなっているはずなんですよ。
それなのに肺ガンはどんどん増えてきている。
肺の中に発ガン性物質を送り込むものは何だろう。
タバコ以外にないんじゃないかと思えるんですよね。



ブライアンさん33才。息子さんと並んで写真を撮っています。
でもこれ、理由があるんですよね。肺ガンが見つかったんです。
33才、若くて進行が早いです。わずか2ヶ月で帰らぬ人となりました。
奥さんがこんな悲劇を他の人に味わわせたくないと考え提供して下さった写真です。
タバコを吸う人が32.5倍発現するという喉頭ガン。タバコを吸う人以外はならないんじゃないかなと言われているガンです。皆さんのどに手を当ててアーと言ってみて下さい。震えるところがあるでしょ、そこが喉頭です。
ガンになるとそこにある声帯をとるわけですよ。
すると、震えるものがなくなるわけで、声が出なくなります。
コロンビアトップさんとライトさん、二人とも喉頭ガンになりました
。トップさんはもう亡くなりました。ライトさんはその後「タバコが私の病気の大もとだったタバコはだめ、吸っちゃいけない」という活動をされています。
去年禁煙推進の会えひめでお招きして講演をしていただきました。
声が出ない人ですよ、どうするんでしょうか。ゲップがありますね、あのゲップを使って声にするんです。
苦しい練習を経て会得されたその声で講演して下さいました。
〔動画〕
コロンビアライトさん「タバコやめましょう、ダメ!」
〔動画〕
タバコ会社の元CMモデルの話
多くの若者にタバコを勧めるCMに出演していました。
でも今は若い人たちがタバコを吸わないことを望んでいます。
私はタバコのせいで喉頭ガンを患い声を失いました。
しかも、犠牲者の多くは声帯を失ってもまたタバコをやめられないでいます。タバコは吸わないでください。

皆さん大変な苦労をしてこのような難しい発声法を会得して、タバコは本当はこうなんだよ、皆さん早くタバコの正体に気付いてくださいと訴えています。



では一酸化炭素にいきましょう。
歯科医院で禁煙支援をします。でも、結構悩まされるんですね。
患者さんの呼吸煙といわれるものです。
これは本人が吸った主流煙が全身を駆けめぐって、また肺に戻ってきたものがはき出される煙を言います。
そのはき出す場所をのぞき込んで診療するのが歯医者さんなんですね。
タバコを吸っている人はすぐ分かります。分かると



一酸化炭素を測る器械・マイクロCOチェックをもってきてもらって測定します。
これは西条の先生方も一台あるといいですよ。
価格は9万円位です。口にくわえてもらいますと、わずか数秒でタバコを吸ってから2時間経っていてもこの器械が測れる20p.p.mっていう限度を越えてしまって、ピピピピッと警告ランプが鳴ります。
もう測れませんっていうサインが出ます。
「これは一体なんですか」って患者さんが聞いてきますね。
「これ実は一酸化炭素濃度の測定です。自殺サイトで寄り合っては車の中で七輪を使って死ぬでしょう、あのガスですよ。火事の時煙に巻かれて動けなくなって死ぬでしょう、あのガスです。
それをあなたは吸っているんじゃなく、はき出しています。
それを私が吸っています」というふうに言いますと、何でこんなに一酸化炭素をはいているんだろうと疑問をもつようになります。
これは実はタバコから吸っているんてすよ。
そんな一酸化炭素がモウモウとしている所で働いていましたか?そうじゃないでしょう。
思い当たるのはタバコしかないですね。
実は一酸化炭素はニコチンの10倍、あなたの体の中に一緒に入っています。
とにかく、取り巻きが悪いんです。
ニコチンを取りたいがためにいろんな発ガン性物質、いろんな有害ガス、二百種類ぐらいセットでもれなく体の中に入ってきちゃうんです。
それがタバコなんです。
吸って何時間経とうが、こうやって一酸化炭素をはき出しているんですよ。まるでゴジラみたいですね。



じゃタバコ会社はどう言ってるかというと、最近コマーシャルをだしてますね。“マナマナ”っていうBGM“鳴らしながら、「ホタル族だと笑いながら“子供を大切にしている」ってキャッチフレーズ。でも考えて下さい。吸った後、部屋の中で子供をあやしながら息を吹きかけてみて下さい。喘息をもっている子供は喘息発作を起こしますよね。こうやって倒れた子供さん、実際いらっしゃるんですから。そういうことを教えないんですね。マナーじゃないんです。エチケットじゃないんです。

赤血球の中に酸素が入り、全身をかけめぐって体の中の細胞に酸素を与えます。そこで酸素をもとに活動をして二酸化炭素ができ、静脈をとおって肺に戻ってきてその二酸化炭素が酸素と交換してまた全身にいきます。そこに一酸化炭素が入ってしまうと、酸素より先に血流にのっちゃうんですね。酸素に比べて250倍もヘモグロビンとの結びつきが強いからなんですね。だから、常に体の中には酸素が足りない、タバコを吸う人は標高3000mクラスの酸素濃度で日常生活を送っていたわけですね。
動画 一酸化炭素の驚異(大動脈)
大動脈をしぼり出すとコレステロールがにゅるにゅると出てきましたでしょ。あんな太い血管にあんなにコレステロールが溜まっていたら、先の方の細い血管だとどうなるでしょうね。
詰まってしまってその先血がいかないですよね。腐っちゃいますよね。

結局ですね、一酸化炭素がたくさん入る→活性酸素が発生する→血管の中をズタズタに傷つけちゃうんです。きれいなツルツルのドカンの中を汚れたものが通っていっても引っかかりませんが、傷みが進んだドカンの中だと容易にへばりつくでしょ。あれがウニュウニュですよね。で、ビタミンCがどんどん消費されます。若い女の人、10代、20代でタバコを吸っている人、30代でクラス会したらどうなんだろう。あなた誰?っていうくらいしわくちゃにならないかなあ。そういう心配があります。1988年、きれいな人なんだけどしわくゃですよね。30年前はこんなだったんですね。オードリー・ヘップバーンですよ。やっぱりタバコを吸うと老化が早いんですよね。
双子で22才からタバコ吸って40才になった時にこんなにも差が出てきてます。右がタバコを吸わなかった人。左が吸った人。

女性にはタバコの影響がすごく大きいんです。特に注意したいのが、喫煙者は非喫煙者の72%しか妊娠能力がないという点です。タバコを吸う人の3人に1人は不妊症と言われています。少子高齢化、次世代健全育成など問題は多くありますが、まず若い女性の喫煙率の上昇、それに伴う妊娠能力の低下の問題を重要視しなければ政策も何もないといえないでしょうか?女性の体は非常にデリケートだと思います。肺胞の膜に関してもすごく薄いんじゃないかなと思うんですね。

肺の酸素の交換というのは、こういう伸び縮みする弾力のある胞なんですね。だけどそこに毒物が入ってくると、コラーゲンが壊れ、弾性繊維が壊れ伸び縮みしなくなる。そうすると酸素の交換が出来ない。そういう病気が今すごく増えてきています。肺気腫という病気です。伸び縮みしなくなった肺に穴があき、気胸っていう問題が起こり、酸素交換ができないから酸素ボンベを常にしょって鼻からチューブを入れ酸素を取り入れる。だけど酸素が体の中をまわらないから、ずっと息苦しいわけです。

この写真、左からタバコを吸わないお母さんから、平均体重、タバコを吸うお母さんから生まれた赤ちゃんです。お母さんの体の中に結局酸素が少ないわけでしょ、赤ちゃんはお腹の中でどうやって酸素を取り入れるかといっても自分では呼吸してませんでしょ、へその緒を通じて入ってくる酸素ですよ。それがニコチンや一酸化炭素にまみれた汚れた酸素しか赤ちゃんに行かないんじゃないですか。それじゃ育たないじゃないですか、低体重出産ということになってくるんですね。

図のように、タバコを吸わないお母さんから生まれたお子さんとタバコを吸うお母さんから生まれたお子さんでは知能指数に明らかに影響が出てきています。
さらに将来において、暴力犯罪を起こす子供に育つ可能性は、タバコを吸う母親からの子供の方が高いというデータも出ているんですね。子供自身がニコチン依存に陥りやすい可能性がこういった数字に表れてくるのではないかと心配しています。

受動喫煙をあびている子供たちが、身近にあるタバコに手を出し、ニコチン依存に陥り、タバコ会社の思うツボの悪循環が続けているわけです。

次にニコチンですが、タバコ会社は1960年代の社内文書からも明らかにニコチンの有害性に気が付いております。それで一時期ニコチンのないタバコ、害のないタバコを作ろうと取り組み始めたわけですが、それをしたら喫煙者がタバコを吸い続けてくれないということも明らかです。そこで気づかない振りをしてとぼけながらニコチン入りのタバコを売り続けばとりあえずいいだろうという発想みたいですね。
タバコは一旦吸い始めるとなかなかやめられなくなってきます。タバコの魔力とは一体何なのでしょうか。サルを使ったタバコ依存の実験、ニコチン入りのタバコだと常習するようになる。が、ニコチンの入らないタバコはやがて吸わなくなる。つまり、タバコをやめられなくなるのはニコチンの魔力によるものと言えます。
僕は今、タバコのことを「日常生活ができてしまう”麻薬”」ていうふうに呼んでいます。

タバコを吸うっていうことを車にたとえてみましょう。今まで話してきたようにタバコには多くの有害物質が含まれていて、それが吸う本人のみならず周りの人にまで危険を及ぼしているわけですね。ここに赤信号で止まれない車があります。赤信号を突っ切ることで快感をえる。タバコを吸ったときが快感である、ていうふうに考えましょう。でも、今日突っ切れたからみんな大丈夫だよ、タバコそんなに危なくないよって、言えるでしょうか?たまたま事故がなかっただけ、病気にならなかっただけ。時に赤信号を突っ切っていると横からトラックが交差点に入ってくるかも知れません。あるいは本人は助かるかも知れませんが、小さいお子さんを乗せたお母さんの軽四にぶつけて巻き添えにしてしまうかも知れません。この赤信号で止まれない車を嗜好品と称して自動車会社で売ってるとしたら、その会社の企業モラルはどうなんでしょうね。許されるものでしょうか。信号でちゃんと止まれる車に乗り換えなきゃいけない。タバコをやめなきゃいけないということなんですよね。

それではタバコは何故やめられないか?実はいろんな落とし穴があるんですね。タバコは百害あって一利なしっていうでしょ。しかしタバコを吸う人は、百害あるかも知れないけど、一利はあるよというふうに思っています。自分にとって一利なかったら吸いませんね。何か自分にとっていいことがあると思っているからやめたいって言いながら実はやめたくないんですね。その気持ちはなんなのだろう。ホッとするとか、ストレスが解消できるだとか、頭がすっきりするとかいろんなことを言います。自分でそのメリットを作っているんですね。タバコをやめませんかっていうふうにお話ししていく時に、本人がメリットと思っていることをいかに聞き出すか、そして、その人が作り上げている自分のメリットっていうものをいかに崩していくか・・・。いうなればモヤモヤっと風船がその人の頭の中にある。で、青空が見えない状況なんですね。何でか分からないけど吸っちゃうんだよね。その邪魔している風船、メリットだと思っているヤツを一つ一つ割っていってあげられれば、タバコを吸っている人が、青空が見えるようになります。ああ、そういうことか、そんな事で俺タバコ吸ってたのか、あほらしい。というふうに思ってくれるとタバコがやめられるようになります。
〔動画〕タバコを吸うと頭がすっきり働くのか?
タバコを吸う前と吸った後で頭の働きを調べるテスト、色名呼称テスト結果。喫煙した後の方が成績は下がっていました。大勢の人にテストした結果、タバコが頭の働きを悪くすることが証明されました

タバコを吸うとなんだかすっきりした気になるんだけれどもこれは錯覚なんですね。眠たくなったら眠るでしょう。お腹空いたら何か食べるでしょう。おしっこしたくなったらトイレへ行きますよね。そういう本能っていう人間が生まれながらに生物として動物として生きるために必要なこと、何かを食べ、排泄し、疲れたら休むっていうふうな本能の所に、タバコが欲しくなる吸いたくなる大もとがしくまれるという風に考えております。専門的に言うと、ニコチンの特異的なレセプターができるという言い方をするんですが、分かりやすい言葉で僕たちは《ニコチンエイリアン》、こういうものがその人の本能の部分に仕組まれて、そいつがニコチンが欲しいがために操り人形としているその喫煙者にタバコを吸わせ、ニコチンをもらってニコチンエイリアンは満足する。その構図を繰り返しているだけというふうに考えています。

ですから、タバコが欲しいゾーンというのが実は体の中にできているんですね。タバコを吸います。すると血中のニコチンの濃度が4〜7秒で上がり、脳にスコーンときます。それで落ち着くゾーンに入ります。しかし、ニコチンの血中濃度は1時間で半減すると言われています。時間が経つとまた、タバコが欲しいゾーンに入ってイライラしてきます。それで又吸います。そしてまたスコーン。この繰り返しなんですね。この点火する回数が1日20本とか30本とか言ってるだけなんですね。なんてことはない。脳を満たすために一日何回もピョコピョコ持ち上げているだけなんですよね。ですから、寝ている時というのは、ニコチン補給のためにたびたび起きられないから寝る前にまず補給したら、寝ている間にズンズン減ってくるわけです。朝起きた時は、ニコチンキレキレなんです。一日のうちで一番ニコチン濃度が低い。だから何するよりもまずタバコに火を付け、この濃度を持ち上げる。それで寝起きの一服がうまいって言うんですね。ただ単にその人の身体がニコチンエイリアンに乗ってられニコチンエイリアンが気持ちのいいゾーンから落ちたときに、ニコチンエイリアンが「おい、勘弁してくれよ。ニコチン早く入れてくれよ。」ってイラついているだけなんですね。つまり、本来の自分の幸せのバロメーターをニコチンエイリアンが奪い取ってしまう。普通タバコを吸わない人は自分のバロメーターです。お腹がすいて何かを食べ、疲れて寝る、それで幸せ100%。バロメーターの値も最高値です。だけども、タバコを吸う人はこのバロメーターの基準がニコチンエイリアンが喜べるかどうかなんですよ。寝て起きた時にニコチンエイリアンは瀕死の状態です。カラカラです。だから眠気が覚めて本当は朝スッキリのはずなんだけど幸せにならない。起きて、イラついたニコチンエイリアンを満足させて初めて幸せになる。

つまり、幸せのバロメーターをこのニコチンエイリアンが乗っ取っちゃってるんです。本来、自前のドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリン、そういう自分の幸せランプを点滅させていたわけです。それを好奇心でニコチンを取り始めて取り付かれてしまったがために、そのドーパミンたちは、「おい、お前ら、そっちの隅に行っとかんかい。これからはわしがここを仕切るからな」って、ニコチンエイリアンに乗っ取られるんですね。「俺が気持ちよかったらこいつが幸せなんだ、お前ら出しゃばってくるなよ」と言ってにらみを利かしているわけです。1、2時間経つと「ああしんど、ニコチンくれんかな」て、要求するわけです。本能の近くにいますからね。「あんたはん、ちょっとニコチン欲しいんとちゃいまっか」と、そそのかすんですね。それでタバコを吸わせる。それで、元気になります。
タバコを吸う人、吸わない人がそろって散歩をします。タバコを吸っている人はボーリングのボールくらいの足かせを足に付けてるような状態なんですね。歩き始めます。最初は調子いいかも知れません。しかし、足かせ重いですよ。だんだん足が遅くなる。タバコを吸わない人は足が軽いからどんどん歩いていきます。ちょっと待って、っていってボーリングのボールを持ち上げて足が軽くなる。それが実はタバコを吸うことなんですね。ちょっと先へ行ってる吸わない人をトトトトトと追いかけて追いつき、ボールを置き歩き始めるけど、また遅れてしまう。つまり、タバコを吸う人っていうのは、脳波がだんだん遅くなっています。タバコを吸わなければ脳波はずっと安定しているんです。だけど、タバコを吸う人はだんだん脳波が遅くなってきます。タバコを吸ってその脳波をヒュッと取り戻しているだけ、でも次の瞬間からまた脳波はだんだん遅くなってきます。またタバコを吸って脳波のスピードを戻す。その繰り返しをしてるんですね。役職に就いている人の喫煙率って高いでしょう。あれは結構勘違いしてるんです。タバコを吸わなかったら、その人の実力はずっと安定していて、簡単に仕事がこなせるんです。だけど、タバコを吸うようになり、脳波が遅くなってそれが一時的に戻っているだけということに気が付いてないんです。脳波の持ち上がるところが、自分の本当の実力より超えてスーパーマンになったように勘違いしているんです。だから、タバコを吸わないと俺ってつまらないヤツになっちゃうかも知れないなんて間違った認識を持つんですね。本来の自分の力に気が付かないと、タバコで自分がスーパーマンの力をもらったように勘違いしているんです。ニコチンエイリアンに乗っ取られていいなりになってる自分が悔しくないですか。もっと、悔しがりましょうよ。もっと、怒りましょうよ。そう思うことでタバコってやめられるんですよね。
〔動画〕講演冒頭に見たデート映像
先程見た時と印象が変わったでしょうか?笑えます?

結局タバコを吸わなかったらあの女性は、大好きな彼氏とご飯を食べながらそれだけで幸せだったはずです。自分自身のドーパミンが幸せのバロメーターを最高値に引き上げてくれていたはずなんですよ。今のタバコ、悪意に満ちています。本当はニコチンていうのは粒です。ニコチンガスが詰まった風船だと思って下さい。その風船が肺の中に入り、溶けて割れます。そして中のニコチンガスが一気に血の中に溶け込むんですね。で、スコーン。素朴なタバコの葉っぱを乾燥し、紙に巻いたのを販売されていた。僕らのお爺ちゃんお婆ちゃんたちの代のものは、多分そうだっただろうと思います。それが、男の人はタバコを吸うものだって思われていた時代から、タバコはどうやら身体に悪いぞ、ということがわかってき、タバコを吸わない男性が増えてきた。タバコ会社は次なるターゲットを見つけないといけない。いかに若い子供たちを引きずり込むか?今までタバコを吸わなかった女性をいかに引きずり込むか?そこに重点的に力を注いでいるんですね。たとえば、匂いを消したタバコ、煙を消したタバコの開発。又、甘さを与えたり、依存症を強めたりしているんですね。子供たちも抵抗なく吸えるように改造されているんです。そういう悪意に満ちたハイテク・タバコに改造されているということがわかってきています。

さて、本当はタバコを吸わない人が危険なんです。
〔動画〕主流煙と副流煙を多量に集めネズミを使って急性毒性の強さを比較する実験
開始3分後、副流煙にさらされたネズミは弱ってきたのか、動きが鈍くなってきた。一方、主流煙のネズミはまだ比較的元気。開始後6分、副流煙を浴びたネズミは痙攣を起こしている。急性中毒の症状を呈している。主流煙の方のネズミにはまだ痙攣などの症状は表れていない・・・
もちろんタバコを吸う人は、主流煙プラス閉めきった部屋で吸うと副流煙も吸うわけですね。


タバコにはいろんな薬物が混ざっています。この表でわかるように、実は主流煙よりも副流煙に含まれるいろんな有害物質の濃度の方が高いんですね。だから、副流煙だけ浴びていると、先程のネズミのように痙攣を起こしたりするんです。だから、建物の中でタバコを吸うっていうことは、タバコを吸う人はもちろん、吸わない人も実際には吸わされている、そういう状況で今までの日本社会は成り立ってきていた。その中で、タバコを吸わない人より吸う人の方がこれだけガンになりやすいなんていうデータが出ていたわけです。でも、健康増進法というものが始まりました。そうするとどうなるかというと、本来タバコを吸わない人がタバコを吸わされなくて済むんです。さてその結果、タバコを吸わない人は、正味タバコを吸わないことになるんです。そうなると、タバコを吸う人と吸わない人のガンのなりやすさなどはもっともっとデータ的に拡がってくるはずです。いかにタバコが悪かったかっていうのがより明確にわかってくるんです。更に、ジメチルニトロソアミンといった強力な発ガン性物質は、煙に含まれて漂って、一旦壁にペチャっとくっつきます。そこで終わってくれればいいんですが、また気化します。このホールがもし喫煙可能であれば、会館ができてからずっと蓄積してきたタバコが壁に付き、気化し、またソファに付き、そこからまたもう一回気化して床に付き、またそこから気化して・・・・とずっと繰り返すんです。だから、家の中でお父さんがソファでタバコを吸う、そうすると壁紙やどっかにいろんな発ガン性物質がいっぱい付く。毎日タバコを吸うもんだからそれらの発ガン性物質が日に日に増やされ、家事をする奥さんが旦那さんより先に肺ガンになって死んでしまう、そういうことなんです。今日来てみたらこの文化会館の中に喫煙コーナーがあります。オープンな喫煙コーナーがありますよね。一カ所でも喫煙コーナーがあれば、この会館全部を汚すのと一緒なんですよ。さっき講演前にこの舞台袖にいたら、どうもこの裏の部屋でタバコを吸った人がいたみたいです。タバコ臭かったです。そういうことを許しておくと、せっかくこんなにきれいな会館がいろんな毒物に晒され汚されてしまうんです。みんなで守りましょうよ。なかなかこんないい会館ないですよ。タバコを吸う場所なんかなくしてしまいましょうよ。健康増進法ではすべて違反ですから。
〔動画〕テレサテンの死因
1995年5月4日、タイ・チェンマイで気管支喘息の悪化による呼吸不全で亡くなった。死の直前、同室していた人のタバコの煙が部屋中モクモクと大変ひどい状況だったと言われている。そういう意味で、あるいは受動喫煙が死因だったのかも知れない。

タバコ税払ってるんだからタバコ吸う権利がある、なんていう主張をよく聞きますよね。なるほど喫煙する権利は当然あるでしょう。自分で自分の体を壊す権利もあるでしょう。でも他人の健康を害する権利はないはずです。なおかつ、2兆数千億円というタバコ税が入るんですが、試算をすると、タバコによる損失が7兆円を超えるんですよ。タバコの尻ぬぐいで、どれだけ多くの損失が出ているかということを、政府はしっかり認識していただきたい。そうじゃないと割が合わない。今のタバコ1箱が600円、せめて600円にならないと釣り合いがとれないと言われています。諸外国では1000円というのが当たり前ですね。ですから、タバコを吸わない人ひとりひとりが毎年4万円ずつタバコの尻ぬぐいのために税金を負担しているという計算が成り立つわけですね。

ケータイ灰皿を使った僕だけの公園になった・・・♪マナマナ♪ってコマーシャルしてます。そうじゃないんです。みんなはもう受動喫煙の害ってことに気がついたんです。あっタバコを吸ってる人がいる、あの周り半径20mは危ないぜって逃げるから自分だけの公園になっちゃったってことです。これはもうテロですよね。社内で息を抜ける場所がトイレのほかにあって良かった・・・こんなオープンな喫煙コーナーを作ったらその会社内は全部汚染されますからね。無駄なことにお金を使っているんですよ。

喫煙は人間にとって損ってことが明らかになり、病院は敷地内禁煙という方向に進んでいます。市内の村上記念病院ですか、7月からまず病院内禁煙からスタートするみたいですが、どんどん敷地内禁煙というのが病院では当たり前になってくると思われます。皆さんのサポートが是非必要です。お医者さんになる人はもうタバコを吸わない。日常生活ができてしまう麻薬に汚染されたお医者さんが治療をするというのがどれだけ危険なことか。細かい治療をしなければいけない、手術をしないといけない。その先生がニコチン切れでイライラしたまま、こんなもんでいいやってことになってしまったら患者さんは困るでしょ。だからまず医療系の学校などからタバコをやめていきましょう、ということなんですね。体育系もその能力を減退させてしまう、更に女性の体を守らなきゃいけない。名古屋女子大学では、去年の新入生からもしタバコを吸ったら自主的に退学しますという誓約書を全員が大学に提出しています。
健康増進法が去年施行されまして、受動喫煙をさせない努力が求められています。
さらに今年の2月からは、WHO(世界保健機構)主導によるFCTC・タバコ規制枠組み条約、子供たちをタバコから守るためタバコの流通の制限をしていこうという国際条約ができました。国内法よりも効力が上らしいです。この条約ができた結果、タバコの外箱面積の30%以上に、健康を害するという警告表示を義務づけることになっています。

新たに今後注目しておかなければならないのが、この煙の出ないタバコ(スモークレスタバコ)というものです。こんなものが売られ始めたんですね。ティーバッグ状のタイプ、噛むタイプ、そしてガムになっているもの。この表示見えます?ミントキシリトール・タバコガム、タバコ葉をブレンドしているガムなんです。一粒でニコチン1mg。こんなのね、子供たちが噛んでいてもわからないですよね。

こんなものをやっていると口の中にガンができて顎を切断しなきゃいけない。13歳でタバコを始め、17歳で口腔ガンができ、何度も手術をし顎をなくして現在27歳。噛むタバコでこういうふうになってしまうんですね。絶対やっちゃいけない。こちらは大リーグの選手、クチャクチャよくやってますよね

こういう歯ぐきのガンを引き起こすんですね。

ニコレットっていうガム、今日も展示して下さっています。これはタバコガムとは全く違うものなんです。タバコガムの方は、発ガン性物質なども含めてタバコ葉をブレンドしているタバコです。もうガムと呼んではいかんです。タバコです。それを隠すためにミントキシリトールなんか混ぜて売っています。なおかつ世界初です。スウェーデンから日本にやってきました。ヨーロッパでは敬遠されたんですね。日本は受動喫煙がうるさい、そこを狙って日本にだけ売り込もうとしている悪意に満ちたタバコです。一方こっちのニコレットは、タバコをやめるためにとりあえずニコチンを体に入れてイライラさせない、ニコチンエイリアンを油断させようとする禁煙支援が目的のガムなんですね。

ニコチンエイリアン増殖を食い止めるために、子供たちをニコチンエイリアンの餌食にさせないために、まずタバコ自販機をなくしましょう。民家の軒先に誰も監視もしていないタバコ自販機が放置されています。こんなものを許してたら、子供たちは入り浸り放題です。これはタバコ事業法違反です。

タバコに手を出さない”、そんな勇気をタバコを吸わない人が持ち、タバコにこれから接するかもしれない子供たちが持ち、なおかつタバコを吸っててこの事実に気がついた人が持ち、“元気な生活”は口の中から、8020を達成する。そういう世の中になっていけば歯科医師としてこれ以上うれしいことはないと思います。
以上で僕の講演は終わりです。タバコは日常生活ができてしまう麻薬なんだ、そういうことをわかっていただけたでしょうかね。最後に後調査の方をお願いします。タバコへの意識がもし変わったと思われる方、ここでの気持ちを是非周りのタバコを吸わない人に話してみて下さい。タバコを吸わない人がこういう事実を知ることが大事です。そうすることで、“みんなであたたかく”タバコを吸う人を自分たちの側に引き寄せるんですね。あたたかくフォローしながら「克服しようよ」と傍でささやいてあげられる、あたたかい社会を築いていけたらと思います。決して禁煙推進活動が喫煙者を排除する、そういうファシズムではありません。本来の自分自身を取り戻す、その助けになればと思って活動を進めております。本日はどうも有難うございました。


質疑応答
Q 日本では、未成年者は未成年喫煙防止法により、タバコを吸うことを禁じられていますが、これは医学的根拠に基づいてのものでしょうか?
A 実は僕もこのあたり疑問に思って調べてみたことがあります。結論から言って未成年者喫煙防止法は、必ずしも医学的見地から判断されたものではないようですね。タバコは室町時代の頃、南蛮貿易で日本に伝わりました。だから日本での歴史は高々400〜450年程度のものなんですね。明治時代になると、日本国内のタバコ消費量は飛躍的に伸びます。これは明治政府が日清戦争、日露戦争の戦費捻出に苦慮したあげくの苦肉の策の産物だったんです。というのは、二回の戦争の資金調達を目的として、国策としてタバコを販売し始めたわけです。これをタバコ専売法といいます。そのような理由でタバコは、国の貴重な収入源になったわけですが、一方で、若い人たちの喫煙は、優秀な兵隊となるには好ましくなかったんですね。ですから20歳になるまでタバコを吸うな、そしてお国のために働ける立派な兵隊になりなさい。また20歳を過ぎた兵隊になれなかった人たちは、どんどんタバコを吸って戦争のための戦費に協力しなさいという方針を打ち出したんです。これが未成年喫煙防止法誕生の背景です。その名残りがいまだにずっと伝わっているということなんです。

Q 禁煙支援(相談)をするに当たっての質問ですが、女性の方が禁煙しにくいという説を聞きましたが、それは何が原因なのでしょうか?私の感じたところでも、一般的に禁煙に関して女性の方が意固地というか、頑固な印象がありますが。
A 女性の禁煙支援には正直僕も手を焼いているところなんです。女性の喫煙については僕はこう思っているんです。現代の日本社会においては、女性社会の中でもアウトロー的な女性がタバコを吸うものだというふうなイメージで捉えられているんじゃないかと思うんですね。それがもとでアウトロー的なちょっとつっぱったような女性がタバコに入って、ある時タバコをやめようと思うけれども、“タバコをやめたら普通の女性のグループに戻るのか・・・そんなのいやだな”というような思いが背景としてあるのかなあと想像しています。女性への禁煙支援については、最初僕はタバコの害を口を酸っぱくして並べ立てていたんですが、それではやっぱり伝わらないですね。それよりも何故今タバコを吸わないといけない体にされちゃっているのか、そういうことを伝えるようにしてから、少しずつ成果が出始めました。ニコチンエイリアンに体を乗っ取られていることを屈辱的で腹立たしいことだと認識してもらえれば、成功の可能性は高いと思っています。

Q 喫煙者に自殺者の割合が多いと聞きましたが、喫煙による精神的な悪影響というのはあるのでしょうか?
A 専門家ではないので、たとえ話でお話させていただこうと思います。ニコチンエイリアンが体の中に入ってきて幸せのバロメーターを奪い取ります。ドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンを隅に追いやり、さも自分がずっと以前からそこに居たかのように、本来の幸せ物質の代わりをするって話をしました。結局、自前のドーパミンなどがないという状態がうつ状態なんですね。ニコチンエイリアンに乗っ取られている状態なんです。

Q 40年近く1日20本くらい吸い続けている人のことでご相談します。長い間のことで随分体を害されていると思うんですが、今さらやめても遅いんじゃないでしょうか?こんなに吸い続けた人でもタバコをやめればメリットはあるでしょうか。
A 今まで体の中で蓄積された毒物はなくなりませんよね。それについてはしょうがないですね。体の中の細胞は奥の方から新たな細胞分裂を起こして、古い細胞が表に上がってきて、垢となって剥がれて落ちます。常に体の中の細胞は新しい細胞に置き換わっているんです。例えば1ヶ月くらいで全身の細胞が置き換わるとします。すると、1ヶ月前の自分の体と今日の自分の体は全く違う細胞で構成されているはずなんですね。だけど遺伝子レベルでプログラムがちゃんと繋いでくれているから、姿や形が変わったりしないわけです。その間にずっとタバコにさらされた状態で細胞の置き換わりが進むのか、タバコのない状態で進むのかでは、1ヶ月先にできる体はまるでちがうはずですよ。それが10年も続いたらまるっきり違ってきますよね。だからタバコっていうのはできるだけ早くやめるのがいいです。そして今さらやめても遅すぎるということはありません。

愛媛県歯科医師会西条支部より閉会のご挨拶
【 タバコ問題、今こそ口腔専門家の出番だ! 】

歯科医師や歯科衛生士がなぜ「禁煙支援」にかかわるのか、本日の講演でよくご理解頂けたと思います。生活習慣病の危険因子である「タバコ」は、歯周病の発症と進行に深く関係します。「タバコ」をやめると歯周病に対するリスクは低下します。約
10年禁煙を続けると、非喫煙者と同程度のリスクまで低下すると言われています。しかし、重度の歯周病になると「禁煙」してもなかなか改善されません。「タバコ」を出来るだけ早くやめ、「禁煙」を長く続けることが大切です。歯科医師や歯科衛生士が「禁煙支援」を行うことは、歯周病の予防・治療を成功させる為に、非常に重要なことなのです。『タバコ問題、今こそ口腔専門家の出番だ!』をスローガンに「禁煙支援」に取り組んで行きたいと思います。まとめとして、「禁煙のすばらしい効果」を考えてみましょう。
 ・肺ガン死亡率は禁煙10年で、非喫煙レベルにまで低下する
 ・虚血性心疾患は禁煙後1年以内に半減し、15年後には非喫煙者レベルまで低下する
 ・禁煙者では喫煙継続者に比して、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発率が低い
 ・死亡率は禁煙後10年で非喫煙者のレベルになる
 ・禁煙により口腔疾患、特に歯周病が改善される
「禁煙」は、「正しい知識」と「強い気持ち」が必要です。本日の講演を機会に、皆様方が「禁煙宣言」・「禁煙支援」されます事を期待致します。最後になりましたが、ご後援頂きました西条市、西条市教育委員会、愛媛県西条保健所に心より、御礼申し上げます。ご参会の皆様方におかれましては、長時間のご静聴、誠に有り難うございました。本日の講演が、皆様方の「口からの全身健康」に役立てば幸いであります。また長野寛志先生には、貴重なお話を頂き有り難うございました。益々のご活躍を御祈念申し上げ、閉会と致します。有難うございました。 
                  愛媛県歯科医師会西条支部 会員一同


社会的ニコチン依存度調査結果報告

6月5日、長野先生のご講演前後にご参加の方々にご協力をいただきました「社会的ニコチン依存度調査」の結果をご報告致します。
ご提出いただきました調査票総数は147名分(前調査+後調査)でした。

       前調査   10.7
       後調査    3.4


《参考》 
          
加濃式社会的ニコチン依存(許容)度調査票

あなたのタバコに対する意識をお尋ねします。以下の10個の意見について、あなたの気持ちに一番近いものをa〜dの中で選んで下さい。

(1)タバコを吸うこと自体が病気である。

       a.反対   b.やや反対   c.やや賛成  d.賛成 

(2)喫煙には文化がある。

       a.反対   b.やや反対   c.やや賛成  d.賛成 

(3)タバコは嗜好品(しこうひん)(味や刺激を楽しむ品)である。

       a.反対   b.やや反対   c.やや賛成  d.賛成 

(4)喫煙する生活様式も尊重されてよい。

       a.反対   b.やや反対   c.やや賛成  d.賛成 

(5)喫煙によって人生が豊かになる人もいる。

       a.反対   b.やや反対   c.やや賛成  d.賛成 

(6)タバコには効用(からだや精神に良い作用)がある。

       a.反対   b.やや反対   c.やや賛成  d.賛成 

(7)タバコにはストレスを解消する作用がある。

       a.反対   b.やや反対   c.やや賛成  d.賛成 

(8)タバコは喫煙者の頭の働きを高める。

       a.反対   b.やや反対   c.やや賛成  d.賛成 

(9)医者はタバコの害を騒ぎすぎる。

       a.反対   b.やや反対   c.やや賛成  d.賛成 

(10)灰皿が置かれている場所は、喫煙できる場所である。

       a.反対   b.やや反対   c.やや賛成  d.賛成 

    (1)のみ左から0,1,2,3点、(2)〜(10)は左から3,2,1,0点の30点満点、
    点数が高いほど、タバコを許容している(心理的依存度が高い)と判定されます。


講師の長野先生にこの結果をお知らせしたところ、大きな意識の変化が得られたことに大変喜んでおいででした。
 「正しいタバコ情報を共有することが大切なんだと改めて気付かされました。西条のご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます」 とのメッセージをいただいております。ご協力誠にありがとうございました。